弁護士大窪のコラム

2016.03.10更新

 弁護士は一般的に多数の事件を抱えており,その多くの事件を同時に進めていかなければなりません。その事件管理をどのように行うかについては,事務所ごとに様々な工夫をしていると思います。

 私は事務所を自分で経営した公設事務所も含めて何度も事務所をかわっていますが,事件管理のやり方は変えていきました。

 公設事務所を自分で経営していたときには,エクセルをつかって事件管理をしていました。公設事務所の場合事件数と相談数を支援委員会に報告する必要もあるため,事件全体が分かるようにする必要もあったためです。エクセルによる事件のデータベース化はそれほど難しくありませんし,今も事件を一覧するためにエクセルで事件全体のデータはつくっています。

 ただ,エクセルによる表だけみていればリアルタイムで動いている事件の進捗が全て把握できるというものではなく,結局紙のファイルでまとめている情報をみて事件の内容を把握するということになりました。終了している事件の問い合わせがきても,エクセルの情報だけでは回答できないので倉庫から終了事件の紙のファイルを持ち出すということもしていました。

 エクセルだけではなく,あわせて顧客管理ソフトを使ったり債務整理専用ソフトを使って事件管理を行うこともしてきましたが,事件全体が分かる形で管理するということはできず,結局紙のファイルを参照することが多かったです。

 前の事務所である道北法律事務所と今の事務所である桜丘法律事務所は事件管理システムとして弁護士事件管理専用ソフト「護」をつかっています。

 http://www.legal.co.jp/products/mamoru/mamoru.htm

 私が使った中では,この事件管理専用ソフトを使うのが一番事件管理の効率が良いと思いました。このソフトの良いところは,個別の事件の管理だけではなく,各弁護士と事務局の間でスケジュール管理,連絡,todo管理,依頼者からの電話連絡,事件毎の経理関係が共有できることです。道北法律事務所の旭川事務所と名寄事務所は場所的遠隔があるのですが,システムを共有しているため旭川で行っている事件もリアルタイムで名寄で把握することもできました。進行中の事件や終了した事件について確認するため紙のファイルを参照するということも圧倒的に少なくなりました。また,入力したスケジュールについては事務所外でもクラウドサービスを使ってスマートフォンで確認できるため,非常にいいと思います。

 ただし,今回事務所を移転する際に事件管理で問題となったのが,この事件管理ソフトの関係です。同じソフトを使っているのでそれほど問題はないようにも思われたのですが,この「護」はそもそも事件のデータを弁護士が移転の際に持ち出すということを想定しておらず,各事件のファイルについては一つ一つ手作業でコピーアンドペーストしなければなりませんでした(フォルダを纏めてコピーすることができないため)。

 弁護士は私に限らず事務所を移ることが多いのですが,そのたびに手作業でデータを一つずつ移すというのも難儀なので,ここは改善してもらいたいと思います。この点がクリアできればよりお勧めできるのですが。

投稿者: 弁護士大窪和久

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