弁護士大窪のコラム

2020.09.03更新

判例タイムズにて、犯罪報道が拡散されていることを理由とした名の変更が却下された家裁の審判例(令和元年7月26日東京家庭裁判所審判)が掲載されていたのでご紹介いたします。

事案としては、公然わいせつの罪で執行猶予付きの有罪判決が出た後、逮捕時の実名報道がインターネット上に拡散されてしまったため、就職できない状態にあるから、家庭裁判所に対して名の変更を求めたというものです。

申立人は、犯罪報道の内容が掲載された投稿については、いったん拡散してしまうと削除するのが困難であること等を理由に申立を行なっています。しかしながら、裁判所は「犯罪歴の性質に鑑みれば,インターネット上の犯罪記事が一因となって採用を拒否されることがあったとしても,その不利益は応募者において甘受すべきものであって,それにもかかわらず,インターネット上の全記事の削除が不可能であるとの理由で名の変更を認めることは,前記告知義務に違反した応募を容認することにも繋がりかねず,相当でないことは明らか」だとして申立人の主張を認めませんでした。

本件は事例判断であって、罪名が違ったり、犯罪からの時間の経過等事情が違えば違う判断が出される可能性はありますが、犯罪報道の拡散についての裁判所の考え方を知る上で参考になると考えご紹介いたしました。

投稿者: 弁護士大窪和久

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