弁護士大窪のコラム

2020.10.01更新

第二東京弁護士会(公設事務所運営支援等委員会)では、毎年秋に、二弁出身の公設事務所長・スタッフ弁護士を対象として、意見交換会を開催しています。この意見交換会では、毎回各地の弁護士が実務上抱える悩みについて公設事務所運営支援等委員会メンバー(公設事務所・スタッフOBも含む)も交えて意見を交換し、以後の業務に活かしています。

例年ですと、地方でこの意見交換会は開催されますが、今年はコロナウイルスの感染拡大のため、10月30日にZoomを利用したオンライン開催という形をとることとなりました。直接顔を合わせることができないのは大変残念ですが、やむを得ないことと思います。

昨年に引き続き私が司会ということになりましたので、参加予定されている方(今回はオンラインですので参加はし易いと思います)は二弁担当者あるいは私に直接質問事項を出して頂ければ、当日議論を広げていけるよう準備致しますのでよろしくお願い致します。また、参加されない方でも司法過疎地での弁護士業務に関する意見等いただければ、参加者の方にフィードバックしていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.30更新

サービス開始当初から、LEGAL LIBRARYを利用しています。

一言で言うと法律専門書の電子書籍をサブスクリプションで利用できるというものですが、今となっては業務に欠かせない戦力になっています。私が感じる利点は次の3つです。

1 場所を取らない

法律事務所での悩みの一つは書籍が大きなスペースを取ってしまうという点です。特に東京では地価も高く、書籍を置くことへのコストが高いのがネックになっています。

しかしながら、本サービスでは電子書籍故スペースの問題は全くありません。PCだけがあれば膨大な書籍の情報にアクセスできます。個人的にはここに掲載されている書籍(注釈民法等)は手放してしまっても良いかと考えています。

2 検索機能が充実している

紙の書籍では検索は当然できませんが、電子書籍ならそれが可能です。例えば起案で必要になる事項が出てきた場合、それを横断的に検索することにより、スピーディーに調べることができます。

LEGAL LIBRARYでは、キーワードだけでなく、タイトル、著者出典等の詳細検索をすることができ、目的の情報にたどり着くのは楽です。

3 書式が使える

LEGAL LIBRARYでは最近電子書籍に掲載されている書式をデータでダウンロードすることができるようになりました。これにより書式の活用がしやすくなったのは大きな利点であり、紙の書籍よりも優位です。

このような法律専門書の電子書籍サブスクリプションサービスについては、他国では普通に使われているものではありますが、日本でも同種のサービスが使えるようになったのは本当に素晴らしいです。個人的には、スマートフォンでのアプリに対応するであるとか、より書籍の量を増やす(特に刑事実務については充実して欲しい)であるとかの要望がありますが、現状でも便利ですので引き続き使っていこうと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.29更新

本日、第二東京弁護士会のオンライン研修「テレワーク時代の わかる!できる!楽しい!? 弁護士情報セキュリティガイドライン簡単解説」を受講しました。動画については暫くリンク先で公開されているとのことです。

内容中深く同意したのは、弁護団でメーリングリストを使うのをやめようという提言でした。

メーリングリストには、後から入ってきた人が状況を理解できない、メッセージの先後関係が分かりにくいという欠点があるばかりではなく、暗号化されておらずセキュリティの面でも不安がある等の欠点があるというのがその理由です。また、現在ではChatwork等のチャットツールの方が明らかに優位性があり、そうである以上メーリングリストを使い続ける理由もありません。

各弁護団で長年に渡りメーリングリストが使われてきましたが、かつてメーリングリストの内容が第三者にも公開される設定になっており問題になったケースもあります。ファイル管理の面でもメーリングリストは不適(クラウドストレージを使った方が遙かに便利)ですので、自分が関わる弁護団だけでもメーリングリストの使用は今後やめていきたいと思います。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.23更新

弁護士業務上の工夫(続・タスク管理について)で、タスク管理についていろいろな流儀がある旨書かせていただきました。

私はデジタル派で、「todoist」というツールを使って管理していますが、アナログツールを使うやり方でもその人が使いやすければそれでいいと思います。

ただ、どのようなツールをつかうにしても、タスク管理について一元化し、ここを見ておけば他の場所を見なくても良いという形を作ることが重要です。タスク管理が分散してしまうと、結局見なくなってしまいます。

また、タスク管理については、定期的な見直しは必要だと思います。私の場合、週に一回全体的な見直しを行ない、どの日時にタスクを行なうかスケジュールに入れ込んでおきます。また、毎日朝に調整をおこない、進捗に応じてスケジュールおよびタスクの内容を見直しています。時間を当てなければタスクを行なうことはできないので、具体的に時間を割り振ることはとても重要だと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.08.28更新

 3年ほど前に当ブログにて弁護士業務上の工夫としてクラウド上のタスク管理サービスの利用について紹介させていただきました。

弁護士業務上の工夫(タスク管理について)

 タスク管理については、弁護士によって流儀があり、アナログ派(手帳に書き込みをおこなって管理する)もいれば、私のようなデジタル派もいます。いずれのやり方でも自分にあったやり方があると思いますが、これからタスク管理を始めるという方にはデジタルによる管理を進めています。アナログでの管理では、そのタスクが書かれた紙や手帳を見失うとやることが分からなくなってしまうという重大な欠点があるからです。デジタルでは紛失することはあり得ません。

 もっとも、デジタルの管理の弱点として、私用しているサービスが終了してしまうという点があります。先のブログ記事で紹介したサービス「wunderlist」は、運営会社がサービスについてマイクロソフトに譲渡し、その後サービス自体も終了してしまいました。マイクロソフトとしては自社のtodoサービスを利用してもらいたいためwunderlistのデータが流用できるようにしていましたが、私はマイクロソフトのサービスは使っていません。

 私はwunderlistの後、別のサービス「todoist」を利用しています。このサービスではwunderlistでできたことはほぼできますし、グーグルカレンダーとの連携も非常に優秀ですので、タスクをやる日時を指定して調整することができます。タスクは入れっぱなしではなく、いつどこでやるかを決めるのが非常に重要ですので、カレンダーとの連携は大変ありがたいです。

 今後もタスク管理については本ブログにて紹介していきたいと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.08.19更新

このブログを作成する前に各所で書いていた投稿記事についてこちらで過去記事の形で再掲載させていただきました。

過去の記事を読んでみると、今では事情がかわっていることもあったり、相変わらず問題が残っている点もあったりと、改めて色々な発見がありました。

今後は改めてこちらのブログを中心に弁護士の業務に関する情報を発信し続けていこうと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2017.09.08更新

 弁護士の能力の高低にかかわらず、弁護士のデスクはおうおうにして書類の山になって片付いていないことが多いです。
 

 私も例外ではなく、以前は机の上に書類の山ができあがっており、片付いているとは全く言えない状態でした。
 

 事務所の机を片付けるためには、どうしてもこの書類の山をなんとかしないとどうにもなりません。
 

 以前ロシアで法律事務所を訪れたことが何回かあるのですが、例外なく弁護士事務所の机の上が片付いていました。そもそも机の上にも棚にも書類が殆ど無い状態です。
 

 ロシアでは法廷に出す書面の電子提出が認められていることや、法律に関する情報を書籍ではなくデータベースで得ていること(法改正が多く書籍では対応できないとのことです)から、書類や書籍を保管する必要が日本に比べて非常に少なくなっています。そのため法律事務所でも書類の山に苦しむことがなくなっています。
 

 結局、法律事務所の机が片付かない問題の解決方法は紙を排除することしかないと思います。
 

 日本では裁判所や法テラス等には紙の書面で提出しなければならなかったり、法律書籍が紙でしか出版されない(データベースサービスもほとんどない)ことから、ロシアと同じというわけにはいきません。ただ、書類の絶対量を減らす努力をしなければ、なかなか書類の山を駆逐することはできないと思います。 
 

 私は従前にあった書類については大幅に整理しました。新しく舞い込んでくる書類については、いらないものは即座に処分し、情報の保存が必要な物は電子化して処分しています。その結果まだ机の上に書類を置いて保存するということはしていません。これを維持し続けていくことが今後の課題です。

投稿者: 弁護士大窪和久

2017.09.05更新

 弁護士業務をやっていると、多数の事件を受任してかつそれを同時進行していくことになります。当然のことながら、事件ごとにやらなければいけないタスクが増殖し、それに追われていくことになります。まずいのは多数のタスクに追われる余り、やらなければいけないタスクに漏れが生じ、そのことに気づかないままになってしまうことです。そうなると最悪弁護過誤ということにもなりかねません。


 このタスク管理について、昔は紙や手帳に書きだして、終わったものについては横線で消していくという極めてアナログなやり方をしていました。しかしこのやり方だと、そのタスクが書かれた紙や手帳を見失うとやることが分からなくなってしまうという重大な欠点があります(私は幸いにもタスクを紛失してしまうことはありませんでしたが…)。また、タスクについては自分しかみることができないため、ほかの弁護士や事務職員ともタスクをしなければいけないという認識を共有することができないという欠点もあります。

 こうした欠点を解消するため、前事務所および今の事務所では、事件管理ソフト「護」をつかったタスク管理をしています。このソフトだと「作業管理」画面で事務所全員のタスクをみることができ、自分だけではなく事務職員や他の弁護士のタスクの進捗を確認することができます。

 ただし、この事件管理ソフトの弱点として、事務所を離れた後この作業管理をみることができないという点があります(「護」は安全性の面から基本事務所のサーバーでのデータ管理をしているので、これはやむを得ないのかもしれませんが)。事務所を離れることの多い弁護士としては、この「作業管理」だけでタスク管理をするのは心もとないと言わざるを得ません。

 そこでクラウド上でのタスク管理のサービスも併用して使っています。長くtoodledoというサービスを使っていましたが、今はwunderlistというサービスに変えました。toodledoはスマホやPCといったプラットフォームを問わずタスクを確認できるという便利なサービスなのですが、wunderlistは終了したタスクを無料で保存できること(toodledoは有料プランに入らないと終了したタスクが一定期間で消えます)と、複数人のユーザーでタスクを共有できるという大きなメリットがあるため、乗り換えました。有料プランもありますが、普通に使う分なら無料でも十分ですので興味を持たれた方はぜひお試しください。

投稿者: 弁護士大窪和久

2017.09.04更新

 刑事弁護、特に被疑者の方が逮捕勾留されている事件については、時間的制約があるので、事件の段取りについてよくよく考えていかないといけないと思います。

 接見をいつ行うであるとか、準抗告や勾留理由開示をどのタイミングで行うとか、意見書をまとめるための調査とか、被害者の方との示談等々、ちゃんと方針を立てた上自分の予定のスケジュールを組んでいかなければなりません。自分も被疑者段階で事件を受けた場合には、あらかじめ処分が決まる可能性がある日を見据えて、その日までの間に接見する日・時間などを予定表に組み込みます。
 

 地方の弁護士過疎地域に日弁連や法テラスが事務所を設立しているのは、民事事件の需要に応えるという意味もありますが、刑事事件(特に被疑者段階)について時間的制約がある中弁護士が接見等多くのことをしなければならないということがあるので、それに対応出来る地元の弁護士をおくという意味が大きいです。かつて被疑者国選が導入される前には、弁護士が偏在している状況では制度を導入することは難しいなどということも言われたものですが、今は弁護士過疎地域にいる弁護士の頑張りもあり制度が成り立っています。
 

 刑事事件における迅速な対応はどこであれ必要なことでありますので、今後も頑張っていこうと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2017.09.01更新

ブログをつくってそのままになっていましたので、自己紹介の方を掲載いたします。

 私は北海道紋別で3年間、鹿児島県奄美で3年間、北海道名寄で5年間仕事をしてきました。いずれも弁護士過疎地域(裁判所支部の管内に弁護士がゼロか一人しかいない、あるいは人口に比べて弁護士がこれに準じるほど少ない地域)であり、弁護士過疎を解消するために公設事務所や法テラスの4号事務所が設置されています。

 そもそも「なぜ弁護士過疎地域で合計11年も仕事をしてきたのか?」ということも聞かれます。私は弁護士になった当初より、弁護士の仕事が最も求められる場所で働きたいという志をもっており、その場所が弁護士過疎地域であると考えたので、これまであえて弁護士過疎地域で働いてきました。また、名寄では、弁護士という仕事だけではなく、人口減に悩む地域のまちづくりにも積極的に関わっていきました。

 11年間弁護士過疎地域で仕事を続ける中で、状況が変わったことがありました。それはかつては弁護士過疎地域を志望するひとは限られていたのですが、公設事務所や法テラスの4号事務所が整備されたこと、司法改革により若手弁護士が急増したこと、若手弁護士を養成して送り出す弁護士事務所が増えたことにより、弁護士過疎地域で仕事をする弁護士が格段に増えたということです。

 私が紋別の公設事務所にいたころは後任の手が挙がらず非常に難儀したものですが、いまでは旭川地裁管内の公設事務所は複数の応募がでてくることが通例となっています。また、公設や4号という形ではなく、弁護士法人の支店や個人事務所の設立という形で弁護士が定着する形もとられるようになりました。

 弁護士が弁護士過疎地域と呼ばれていた地方にいくようになったのは、賛否分かれる司法改革のなかでも大きなプラスの面であることは間違いないと思います。ただ、弁護士過疎地域に単に弁護士がいけばいいというものではなく、どのような弁護士がいくかという質の問題が問われています。弁護士過疎地域では地域の方に弁護士を選ぶ機会が限られているため、おかしな弁護士が弁護士過疎地域にいったばあい、そのもたらす弊害は甚大です。そうならないためにも、地方に行く弁護士を養成する事務所の役割がより重要になってきていると思いました。

 私が戻ってきた桜丘法律事務所は、地方にいく弁護士を養成するパイオニアで、今まで数多くの弁護士を公設事務所や法テラスの4号事務所に派遣しています。また、地方におかしな弁護士を派遣してはならないということを事務所の弁護士が十分理解し、刑事事件民事事件に限らずしっかりとした教育をおこなってきています。私も40歳を超えており、現場での11年間の経験を後に続く若手に伝えることが求められていると考え、東京に戻ってきた次第です。

  東京に戻ってきてから1年と数か月経過しており、東京に来てから事務所で育成している弁護士もそろそろ派遣先がきまるころとなりました。派遣弁護士に対して引き続きサポートできればと思っております。

投稿者: 弁護士大窪和久

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弁護士大窪のコラム 桜丘法律事務所

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