弁護士大窪のコラム

2020.12.23更新

最高裁が袴田事件の高裁決定(1審で行なわれた再審決定を覆す)を取消、東京高裁に差し戻した上で再度審理するべきという決定を行ないました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201223/k10012779771000.html

本件決定で興味深いのは、5人の裁判官のうち2人が、東京高裁での審理をさせるのではなく、最高裁自ら再審開始決定の判断をすべきだという意見をだしていることです。

2人の裁判官は、本件で出されている証拠(DNA鑑定と、みそ漬けの再現実験の報告書)はいずれも新証拠として認められる物で、高裁の審理を要することなく再審開始の要件をみたすものであり、高裁に差し戻すことにより時間を費やすことに反対するという理由から、上記意見を出しています。最高裁の裁判官がこのような意見を出すのは異例ですが、この事件が既に50年余り費やしている事件であることを鑑みれば、2人の裁判官がこのような意見を出すことはうなずけます。1審で行なわれた再審決定からも既に6年も経過しており、高裁差戻の再審決定→再審開始も更に時間を要するのは当事者にとって酷にすぎるといえるでしょう。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.12更新

手軽にVRを楽しめるVRヘッドセットとして、Oculus Questがあります。PCやゲーム機といった親機と接続することなくスタンドアローンで映像やゲームなどを体験することができる製品

私自身も購入して試してみましたが、確かに画期的な製品だと思いましたが、既存のゲーム機・スマートフォンと比べて画素が荒く、まだまだ発展途上のものであるという感想を抱いています。

この新製品であるOculus Quest 2が明日発売となります。カタログスペックでいうと既存機を遙かに上回るものであり、期待できるかもしれません。

ただその反面、Oculus Quest 2などOculusのヘッドセットを使うに当たって、今月よりfacebookのアカウントが必須となったことがインターネット上で議論となっています。2014年にOculusを買収したFacebookの意向によるものですが、facebookのアカウントで登録したところアカウントが凍結されてしまい、使用できなくなったというケースが少なからず報告されているようです。また、そもそもこのOculusのログインにFacebookアカウントを必須とすることは反トラスト法(独占禁止法)に引っかかる可能性もあるとの指摘もあります。

上記のような問題もありますので、購入に当たっては様子を見ておき、問題が解決された段階で新規購入してみようかと思います。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.03更新

裁判官が民事事件に関する文書やUSBメモリーを紛失するという事件が報道されていました。

NHKの報道によれば、「高松地方裁判所によりますと刑事部に所属する男性の裁判官が先月26日午前2時ごろに飲酒を伴う会食をしたあと、帰宅途中にリュックサックを紛失した」「リュックサックにはこの裁判官が担当する予定の民事裁判の原告側や被告側が作った書面の写しや、この裁判を含む複数の裁判についての情報が記録されたUSBメモリが入っている」とのことです。

裁判所は、裁判官が裁判に関する文書やデータを自宅に持ち帰る際は飲酒はせず、娯楽施設などに立ち寄らないよう指導していたにも関わらず、この指導を守らなかった裁判官に落ち度があるとしているようです。ただ、そもそも機密情報であるデータをUSBという紛失しやすい媒体で持ち帰ったり、裁判に関する文書を自宅に持ち帰ったりするという運用そのものがあり得ないことではないでしょうか。

しかも、裁判官が裁判に関する文書やUSBを紛失することはこれまでにもあったことです。裁判所の外部に持ち出す以上常に紛失する可能性は付いて回るものなので、再発を防ぐためには持ち出し自体を禁止すべきでした。民間企業では通常のルールとして運用されているものですが、裁判所は事件情報という当事者にとって非常にセンシティブなものについて杜撰な取り扱いを行ない続けていることになり、大変な問題といって良いでしょう。

コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言より後も、裁判所は隔週開廷となったり、裁判官も含めた職員が交代で休みを取るなどしてソーシャルディスタンスを図っています。このことにより事件滞留も指摘されているところです。裁判官も事件滞留を防ぐためには自宅での起案をせざるを得ないという事情もあったのかも知れません。しかし裁判官の自宅起案を認めるのであれば、そもそも事件情報を持ち出さなくても参照できるシステム(VPNの導入、クラウドストレージの利用等)を進めておくべきでした。もちろんVPNやクラウドストレージからの情報流出の危険は皆無ではありませんが、USBを持ち歩くことよりは危険度は遙かに低いものです。かりにこうしたシステムをどうしても導入できないのであれば、ソーシャルディスタンスを保って業務や起案のできる事務所等を臨時に借り上げるべきでしょう。

裁判所が今回紛失した裁判官を非難することに終始し、運用の問題点を抜本的に改善するのでなければ、今回のような事態が再発することは必須です。

投稿者: 弁護士大窪和久

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