読売新聞オンラインで、「【独自】家族間問題に「ウェブ調停」導入へ…東京など4家裁で試行」との記事が掲載されていました。
記事によれば、「最高裁は、家族間の問題を扱う家事調停に、インターネット上で手続きを進める「ウェブ会議」を導入する方針を固めた。裁判のIT化の一環で、今年度内に東京、大阪、名古屋、福岡の4家裁で試行を開始し、その後、他地域への拡大も検討する」とのことです。
これまで、離婚や相続の家事調停については、原則として当事者が裁判所に出頭して行なうこととされています。調停の場合訴訟と異なり、当事者間の協議を行なうという性格上、代理人がついている場合でも当事者本人も裁判所に来る必要がありました。当事者が遠隔地に居住する場合等については、電話会議を用いる運用も例外的に行なわれてはいますが、原則としては裁判所への出頭が必要です。
民事訴訟についてはWEB会議が実施されるようになっていますが、家事事件についてはこれまで実施されておらず、これからの課題とされていたところです。
この点、特に東京家裁においては、当事者が裁判所に多数出頭することで裁判所が混み合う状況がかねてより存在し、昨年からのコロナ渦においては三密を避ける目的から調停期日を多く入れられないということも生じています。新型コロナウイルス感染防止の観点から裁判所に人が来ることを防ぐ必要は確かにありますので、WEB会議については積極的に実施して頂きたいものです。