弁護士大窪のコラム

2021.02.24更新

以前こちらのブログで紹介した弁護革命で大幅なバージョンアップが行なわれましたので簡単に紹介します。

バージョンアップ後、「PDF書き込み機能」が加わりました(こちらの動画で機能紹介がなされています)。

注釈モードにすると、PDFにマーカーで強調したり、付箋を入れて書き込みを入れたりすることが可能です。注釈モードで書き込み等を入れた場合でも、書き込みを入れていないオリジナルのPDFは保存されており、書き込みを入れたPDFもオリジナルのPDFも両方ダウンロードすることが可能です。PDFに書き込みをすること自体は個別のアプリケーションでも行なうことはできるのですが、ブラウザ上でこのような作業が簡単にできてしまうのはとても便利ですし、データについては複数人で共有することも可能なので弁護団で検討することも可能です。

また、今回のバージョンアップで「証拠番号埋め込み機能」が加わり、これも便利です(こちらの動画で機能紹介がなされています)。

裁判所に書証を紙で提出する場合、印刷した書証に「弁○号証」などの証拠番号を入れる必要がありましたが、印刷したものにいちいち書き込んでいくのは手間です。PDFにアプリケーションで証拠番号を手作業で個別に入れた上印刷するというやり方もありますが、これも手間であることには変わりません。弁護革命ではオリジナルのPDFに証拠番号を埋め込んだものを一括で準備することができてしまうので、証拠番号を入れる手間が一気に無くなりました。

弁護革命は、多数の資料を検討する必要がある弁護団事件で特に威力を発揮しますが、今回のバージョンアップで更に有用性が上がりました。今後弁護団で事件をする際には是非導入していこうと思います。

 

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2021.01.05更新

報道によれば、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象とした、特別措置法に基づく緊急事態宣言がだされるとのことです。今回の緊急事態宣言では、飲食店に対して閉店時間を午後8時に前倒しすることが主な内容であり、昨年行なわれた緊急事態宣言のように学校の休校を行なったり、映画館劇場の営業自粛を求めたりすることはなく、限定的な内容のようです。

緊急事態宣言の再発令で気になるのは、緊急事態宣言再発令により裁判所はどうするかという点です。

昨年の緊急事態宣言が行なわれた際、裁判所は業務を(一部を除いて)停止しました。東京地裁の場合、原則として5月7日から5月末日までの裁判期日指定を取消し、6月以降に順次再開するという扱いを行ないました。6月以降も法廷を隔週開廷としたため、裁判が大幅に(数ヶ月~半年程度)遅延してしまい、現在もその状況が続いています。

今回の緊急事態宣言でも同様の対応を行なった場合、予定されていた裁判は緊急事態宣言期間中は原則として止まってしまい、更に大幅な裁判遅延がもたらされることは必須です。裁判所が再度の緊急事態宣言に備えてIT設備の拡充等なんらかの準備を行なってきたということもありませんので、見通しとしては悲観的にせざるを得ません。

もっとも、前回の緊急事態宣言でも、緊急性のある事件(民事保全、DV事件、人身保護事件等)は期日が開かれましたので、そのような事案については今回も期日が開かれるのではないかと思います。

新形コロナウイルスの感染拡大は国内外でも封じ込めに成功した台湾のような国を除いて終わる見通しを見せません。日本でも今後また感染拡大により緊急事態宣言に追い込まれることもあると思いますので、司法に限らずどうやって感染拡大している中でも業務を続ける道を作るか検討していく必要はあるでしょう。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.12.28更新

2020年も終わりにさしかかりました。

今年一年を振り返ってみると、新形コロナウイルスの感染拡大によりどの立場にある人も大変な影響を被ったということがとても大きいと思います。

司法に関しても、緊急事態宣言に伴い長期間裁判所の期日が原則として行なわれなくなり、手続の遅延が著しいことになりました。日本では司法のIT化がようやくスタートラインに立ったところであり、裁判所に行かなければ裁判を受けられないという旧態依然としたシステムの弊害が明らかになりました。新形コロナウイルスの感染拡大については、年末にかけても広がっているところであり、再度裁判手続が中止せざるを得ないという事態に追い込まれることもあるかも知れません。

新形コロナウイルスの感染拡大以外の司法のトピックとしては、カルロス・ゴーンさんの事件をきっかけとして、日本の人質司法がクローズアップされたことが大きかったです。我々刑事弁護人にとっては、被疑者を身柄拘束して、弁護士の立ち会いも取調には認めず、長時間の自白を事実上強要し、その調書をもととして有罪判決が作り上げられているという実態は常識ですが、こうした実態が国外に知れ渡ったことになります。もっとも法務省は国外からの批判に一切耳を傾けていません。年末年始の時期も変わらず身柄を拘束され、自白を強要されている人が多数いることは今年も変わりませんでした。

日本の司法システムが、諸外国に比べても色々な面で後れを取っていることはもはや明らかだと思いますが、変化のスピードはとても緩慢です。司法に携わっている一人としては強い無力感を覚えますが、現在の古い司法システムの中において、一弁護士としてできる限り依頼者の役に立つように来年度以降も精進していきたいと思います。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.12.20更新

本年ももうすぐ終わろうとしていますが、今年において最も弁護士業務の効率化に貢献したサービスは、「弁護革命」だろうと私は思います。「弁護革命」の名前に偽りなしですし、後藤貞人先生、高野隆先生の推薦文の内容にも納得です。

弁護革命のサイトはこちら

弁護革命の最大の特徴は、大量の文書(PDFなど)を放り込むと、AIが全文テキスト・タイトル・日付・証拠番号まで自動で付けてくれ、テキストを抜き出してくれるところです。サイト上で文書をキーワードで検索することが出来ます。

実際にPDFをアップロードするとこの画像のようになります。画面上でPDFをテキスト化した情報を参照して、コピーアンドペーストすることができます。

弁護革命サンプル

とにかく大量の文書を整理することに向いており、刑事事件の尋問案を検討したり、民事事件の最終準備書面案を検討するなど、既存の書面の整理が必要な際にとにかく役に立ちます。特に宣伝を頼まれているわけでもありませんが、一人でも多くの弁護士に使って欲しいと思います。

今年中はキャンペーンで無料ですが、来年から有料になります。興味のある方はお早めに試すことをお勧め致します。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.12.18更新

73期の新人弁護士が登録を始める時期になりました。それに伴い、ツイッター上で「#新人弁護士に言いたいこと」というタグで弁護士が多種多様な投稿を行なっています。

自分の投稿はこれですが、あまり今後の参考にはならないと思います。ただ他の先生方の投稿については、なるほどと思えるものが多いので、一読する価値はあると思います。

他の先生方の投稿にも多くありますが、一番大切なのは、健康で毎日過ごすようにすることだと思います。ストレスの多い仕事ですし、新人時代には労働時間自体も多くなりがちです。それに耐えきれず仕事を辞める弁護士も多いです。仕事で心身を損なわないように長い目で仕事を続けていくことが大切だと思います。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.11.21更新

民事裁判のIT化がようやく日本でも始まりつつありますが、民事裁判のIT化を進める上で出された意見として、本人訴訟の場合どうするのかというものがあります。

この点、2020年11月20日付河北新報の記事では、このように書かれています。

「日本の民事裁判では、弁護士を付けず訴えを起こす「本人訴訟」が認められている。原告がアプリを使う際に手間取った時、誰がどうサポートするのか。代理人は技術的に精通する必要があろう。訴訟当事者が習熟度により不利益を被ることがないよう、弁護士会によるバックアップが欠かせない。」

この記事ではあたかも本人訴訟でも当然に何某かの代理人がつくかのような書きぶりをしておりますが、実際には本人訴訟を行なう場合に裁判所や第三者が代理人を付けてくれることはありません(たまに民事事件で国選弁護人のような制度は無いのかと聞かれることはありますが、そのようなものはありません)。ですので訴訟でのアプリ利用等についても、当事者本人がなさねばならないことになります。

また、記事では弁護士会によるバックアップが期待されています。この点日弁連では、昨年9月12日付で、「民事裁判手続のIT化における本人サポートに関する基本方針」というものを出しています。その中で本人訴訟支援について「裁判を受ける権利を実質的に保障して必要な法律サービスを提供することを可能とするため,IT面についても必要なサポートを提供する」と打ちだしています。もっとも、そればかりではなく、「民事裁判手続のIT化は,新たな司法システムの構築を目指すものであり,それに伴い裁判を受ける権利に支障が生じる場合は,国がその責任において支障を除去することは当然である」として、国に十全なサポート体制の構築や支援を求めてもいるのです。

上記日弁連の基本方針にもあるように、本来的には、本人訴訟については国がバックアップすべき問題です。隣国の韓国では、代理人弁護士においては電子訴訟を推奨する一方、当事者本人の場合は従前通りの紙による裁判の機会を与えており、記録の電子化等については裁判所が行なっています。また他国でも、記録の電子化については国が行なうということをしています。他方、日本の裁判所は、今までの議論の中では本人訴訟の支援について全く行なう姿勢を見せておらず、当事者本人の「自助」任せにするということのようです。マスメディアにおかれては、民事裁判のIT化による当事者の負担について、国あるいは裁判所がサボタージュしてなんら対応しようとしていない点についても着目していただきたいものです。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.30更新

以前のブログで紹介しました公設事務所所長弁護士意見交換会を本日実施しました。

第二東京弁護士会(公設事務所運営支援等委員会)では、毎年秋に、二弁出身の公設事務所長・スタッフ弁護士を対象として、意見交換会を開催しています。本年は本来は糸魚川で行なわれる予定でしたが、コロナ渦のためZOOMを利用したオンラインでの実施となりました。来年以降コロナ渦の状況が変わればまた現地での意見交換会になるかも知れませんが、場所を越えてオンラインでの議論が出来るのは弁護士過疎地域の弁護士にとっては大きな利点ではあります。

司会として議事を進行させていただきましたが、事件関係の悩みの他にも、事務所運営関係についての質問も多くありました。コロナ渦の状況故、リモートワークやオンライン相談についてどのように進めて行けば良いかという点も議論になりました。事件関係については守秘義務もありますので当然ここではかけませんが、事務所運営関係について一般的なものについては議論の積み残しの点も含めてこちらのブログで何回かにわけて書いていこうかと考えております。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.26更新

民事裁判において、新型コロナウイルスでWEB会議の実施件数が東京地裁で9月は400件となり、導入当初の10倍に急増しているとの報道がありました。

同報道では、「東京地裁はウェブ会議が急増した背景に新型コロナウイルスの感染拡大による関係者の意識や行動の変化があるとみて、さらに活用を進めていく方針です。東京地方裁判所の後藤健民事部所長代行者は「新型コロナウイルスの影響で、結果として弁護士の意識が変わり使ってもらえるようになったのではないか。より迅速で適正な裁判ができるようになることを期待している」と話しています」と東京地裁の見解が掲載されています。

しかし、「弁護士の意識が変わり使えてもらえるようになったから」WEB会議の実施件数が増えたというのは、事実とは乖離している見解のように思われます。

そもそも、期日をWEB会議にするか否かについては裁判所の裁量によるものであり弁護士が決められるものでは本来ありません。また、東京地裁がWEB会議を導入し始めたのは今年の2月以降(しかも、全ての部で導入したわけではありません)であり、コロナウイルス感染拡大以前にWEB会議が実施されたことはありませんでした。感染拡大以前は、弁護士が希望しても一切WEB会議は実施されなかったのです。

また、東京地裁は緊急事態宣言中は一部の期日(身柄の刑事事件、民事保全等)を除いては全ての期日を行なわず、WEB会議で期日を進めるということも行ないませんでした。さらに、緊急事態宣言が開けてからも今日に至るまで法廷を隔週開廷にしており期日がなかなか入らない状態が継続していますが、法廷での期日が入らない週に代替としてWEB会議を実施するということも行なっていません。

むしろWEB会議については東京地裁ではなく大阪地裁など他の裁判所での実施の方が先行しており、東京地裁は他の裁判所に比べても後れを取っております。WEB会議による進行を訴訟当事者から求められても、機材が期日に準備できない等の理由で実施が出来ないということもあります。

9月の400件という数字自体、東京地裁で行なわれている期日のほんの一部に過ぎません。東京地裁の消極的な運用方針により、新型コロナウイルス感染拡大の影響があってもなお「これしかWEB会議が行なわれていない」というのが現状認識として正しいように思われます。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京地裁の裁判が大幅に遅延しているのは事実です。東京地裁におかれては、是非とも「より迅速で適正な裁判ができるよう」に従前の姿勢を改め積極的にWEB会議を実施して頂きたいと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.22更新

他の裁判所では既に運用が行なわれていますが、東京地裁でも他の裁判所に遅れて、teamsによる訴訟手続を進めるようになってきました。

裁判官によれば、もともと進める予定ではあったが、新型コロナウイルス感染拡大が今も続いている状況に鑑み、前倒しで積極的に取り扱いを行なうようになったということのようです。接続テストを行ない、問題が無いことを確認した上で期日を行なうという流れです(これは他の裁判所も同じ)。

もっとも、弁護士によってはまだteamsは未経験であり、従前の電話会議や弁論準備の方が良いという意見を出す方もおられました。

確かにteamsは他のテレビ会議システム(ZOOMなど)と比べても初見ですと取っつきにくい面があるのは事実ですが、せっかく裁判所がITを使うようになってきたということに加え、新型コロナウイルス感染拡大防止のためには少しでも接触の機会を減らすことが重要ですので、弁護士側でも積極的にteamsを利用していくことが望ましいと思います。またteamsは単に電話会議のかわりになるだけではなく、書面共有など紙に頼らない手続進行もやろうと思えばできるシステムですので、弁護士側も活用方法について裁判所に提案していくのが良いのではないかとも考えます。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.20更新

典型的な弁護過誤の例として、民事訴訟における控訴期限の徒過があります。

民事訴訟において、第一審判決に不服があるときには控訴をすることが出来ますが、法律上期限が定められています。民事訴訟法285条では、「控訴は、判決書又は第254条第2項の調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に提起しなければならない」とされています。具体的には、控訴状は、判決正本を受領した日をいれないで、2週間の最終日までに提出する必要があります。これを徒過した場合には、控訴を行なうことが出来なくなります。なお、最終日が土日祝日や年末年始であればその翌日が最終日となりますが、最終日については書記官にあらかじめ確認しておくのが確実でしょう。

控訴状提出のミスでありがちなものは、控訴状の提出先が「判決をした第一審の裁判所」であるにも関わらず、控訴状を高裁に送ってしまうようなケースです。期限ギリギリで速達で郵送して安心したと思いきや、提出すべき期間を徒過してしまい取り返しのつかないことになるということもあります。単純なミスですが事務局に郵送を頼んでいたところそようなことになってしまった、というケースもあります。

弁護士が控訴期限を徒過した場合、弁護士としての基本的な業務を怠ったとして、懲戒請求されその結果懲戒例は多数有ります。

また、弁護士が控訴していれば勝訴していたとして訴訟での請求額相当の損害賠償を求めるということもあります。ただ、この場合請求額がそのまま損害になるかというとそういうわけでもなく、控訴審において勝訴の見込みがどの程度あったかが問題となります(過去の裁判例では、控訴したとしても勝訴の見込みがなかったとして弁護士に対する損害賠償を認めなかったものもあります(昭和60年1月23日横浜地判 判例時報1181号119頁等))。一方、訴訟まで行かずとも弁護士が加入している弁護士損害賠償保険により一定額の賠償がなされるというケースもあります。

本来有ってはならないことではありますが、万が一自分が依頼した弁護士が控訴期間徒過のような弁護過誤を行なった場合には、どのような対応が妥当かについて他の弁護士にセカンドオピニオンをとって判断するのも良いと思います。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

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