弁護士大窪のコラム

2017.09.08更新

 弁護士の能力の高低にかかわらず、弁護士のデスクはおうおうにして書類の山になって片付いていないことが多いです。
 

 私も例外ではなく、以前は机の上に書類の山ができあがっており、片付いているとは全く言えない状態でした。
 

 事務所の机を片付けるためには、どうしてもこの書類の山をなんとかしないとどうにもなりません。
 

 以前ロシアで法律事務所を訪れたことが何回かあるのですが、例外なく弁護士事務所の机の上が片付いていました。そもそも机の上にも棚にも書類が殆ど無い状態です。
 

 ロシアでは法廷に出す書面の電子提出が認められていることや、法律に関する情報を書籍ではなくデータベースで得ていること(法改正が多く書籍では対応できないとのことです)から、書類や書籍を保管する必要が日本に比べて非常に少なくなっています。そのため法律事務所でも書類の山に苦しむことがなくなっています。
 

 結局、法律事務所の机が片付かない問題の解決方法は紙を排除することしかないと思います。
 

 日本では裁判所や法テラス等には紙の書面で提出しなければならなかったり、法律書籍が紙でしか出版されない(データベースサービスもほとんどない)ことから、ロシアと同じというわけにはいきません。ただ、書類の絶対量を減らす努力をしなければ、なかなか書類の山を駆逐することはできないと思います。 
 

 私は従前にあった書類については大幅に整理しました。新しく舞い込んでくる書類については、いらないものは即座に処分し、情報の保存が必要な物は電子化して処分しています。その結果まだ机の上に書類を置いて保存するということはしていません。これを維持し続けていくことが今後の課題です。

投稿者: 弁護士大窪和久

2017.09.05更新

 弁護士業務をやっていると、多数の事件を受任してかつそれを同時進行していくことになります。当然のことながら、事件ごとにやらなければいけないタスクが増殖し、それに追われていくことになります。まずいのは多数のタスクに追われる余り、やらなければいけないタスクに漏れが生じ、そのことに気づかないままになってしまうことです。そうなると最悪弁護過誤ということにもなりかねません。


 このタスク管理について、昔は紙や手帳に書きだして、終わったものについては横線で消していくという極めてアナログなやり方をしていました。しかしこのやり方だと、そのタスクが書かれた紙や手帳を見失うとやることが分からなくなってしまうという重大な欠点があります(私は幸いにもタスクを紛失してしまうことはありませんでしたが…)。また、タスクについては自分しかみることができないため、ほかの弁護士や事務職員ともタスクをしなければいけないという認識を共有することができないという欠点もあります。

 こうした欠点を解消するため、前事務所および今の事務所では、事件管理ソフト「護」をつかったタスク管理をしています。このソフトだと「作業管理」画面で事務所全員のタスクをみることができ、自分だけではなく事務職員や他の弁護士のタスクの進捗を確認することができます。

 ただし、この事件管理ソフトの弱点として、事務所を離れた後この作業管理をみることができないという点があります(「護」は安全性の面から基本事務所のサーバーでのデータ管理をしているので、これはやむを得ないのかもしれませんが)。事務所を離れることの多い弁護士としては、この「作業管理」だけでタスク管理をするのは心もとないと言わざるを得ません。

 そこでクラウド上でのタスク管理のサービスも併用して使っています。長くtoodledoというサービスを使っていましたが、今はwunderlistというサービスに変えました。toodledoはスマホやPCといったプラットフォームを問わずタスクを確認できるという便利なサービスなのですが、wunderlistは終了したタスクを無料で保存できること(toodledoは有料プランに入らないと終了したタスクが一定期間で消えます)と、複数人のユーザーでタスクを共有できるという大きなメリットがあるため、乗り換えました。有料プランもありますが、普通に使う分なら無料でも十分ですので興味を持たれた方はぜひお試しください。

投稿者: 弁護士大窪和久

2017.09.04更新

 刑事弁護、特に被疑者の方が逮捕勾留されている事件については、時間的制約があるので、事件の段取りについてよくよく考えていかないといけないと思います。

 接見をいつ行うであるとか、準抗告や勾留理由開示をどのタイミングで行うとか、意見書をまとめるための調査とか、被害者の方との示談等々、ちゃんと方針を立てた上自分の予定のスケジュールを組んでいかなければなりません。自分も被疑者段階で事件を受けた場合には、あらかじめ処分が決まる可能性がある日を見据えて、その日までの間に接見する日・時間などを予定表に組み込みます。
 

 地方の弁護士過疎地域に日弁連や法テラスが事務所を設立しているのは、民事事件の需要に応えるという意味もありますが、刑事事件(特に被疑者段階)について時間的制約がある中弁護士が接見等多くのことをしなければならないということがあるので、それに対応出来る地元の弁護士をおくという意味が大きいです。かつて被疑者国選が導入される前には、弁護士が偏在している状況では制度を導入することは難しいなどということも言われたものですが、今は弁護士過疎地域にいる弁護士の頑張りもあり制度が成り立っています。
 

 刑事事件における迅速な対応はどこであれ必要なことでありますので、今後も頑張っていこうと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2017.09.01更新

ブログをつくってそのままになっていましたので、自己紹介の方を掲載いたします。

 私は北海道紋別で3年間、鹿児島県奄美で3年間、北海道名寄で5年間仕事をしてきました。いずれも弁護士過疎地域(裁判所支部の管内に弁護士がゼロか一人しかいない、あるいは人口に比べて弁護士がこれに準じるほど少ない地域)であり、弁護士過疎を解消するために公設事務所や法テラスの4号事務所が設置されています。

 そもそも「なぜ弁護士過疎地域で合計11年も仕事をしてきたのか?」ということも聞かれます。私は弁護士になった当初より、弁護士の仕事が最も求められる場所で働きたいという志をもっており、その場所が弁護士過疎地域であると考えたので、これまであえて弁護士過疎地域で働いてきました。また、名寄では、弁護士という仕事だけではなく、人口減に悩む地域のまちづくりにも積極的に関わっていきました。

 11年間弁護士過疎地域で仕事を続ける中で、状況が変わったことがありました。それはかつては弁護士過疎地域を志望するひとは限られていたのですが、公設事務所や法テラスの4号事務所が整備されたこと、司法改革により若手弁護士が急増したこと、若手弁護士を養成して送り出す弁護士事務所が増えたことにより、弁護士過疎地域で仕事をする弁護士が格段に増えたということです。

 私が紋別の公設事務所にいたころは後任の手が挙がらず非常に難儀したものですが、いまでは旭川地裁管内の公設事務所は複数の応募がでてくることが通例となっています。また、公設や4号という形ではなく、弁護士法人の支店や個人事務所の設立という形で弁護士が定着する形もとられるようになりました。

 弁護士が弁護士過疎地域と呼ばれていた地方にいくようになったのは、賛否分かれる司法改革のなかでも大きなプラスの面であることは間違いないと思います。ただ、弁護士過疎地域に単に弁護士がいけばいいというものではなく、どのような弁護士がいくかという質の問題が問われています。弁護士過疎地域では地域の方に弁護士を選ぶ機会が限られているため、おかしな弁護士が弁護士過疎地域にいったばあい、そのもたらす弊害は甚大です。そうならないためにも、地方に行く弁護士を養成する事務所の役割がより重要になってきていると思いました。

 私が戻ってきた桜丘法律事務所は、地方にいく弁護士を養成するパイオニアで、今まで数多くの弁護士を公設事務所や法テラスの4号事務所に派遣しています。また、地方におかしな弁護士を派遣してはならないということを事務所の弁護士が十分理解し、刑事事件民事事件に限らずしっかりとした教育をおこなってきています。私も40歳を超えており、現場での11年間の経験を後に続く若手に伝えることが求められていると考え、東京に戻ってきた次第です。

  東京に戻ってきてから1年と数か月経過しており、東京に来てから事務所で育成している弁護士もそろそろ派遣先がきまるころとなりました。派遣弁護士に対して引き続きサポートできればと思っております。

投稿者: 弁護士大窪和久

弁護士大窪のコラム 桜丘法律事務所

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