弁護士大窪のコラム

2021.09.24更新

朝日新聞で、「破産者マップ」で氏名や住所公開したことについて、2人がサイト運営者を提訴したとの報道がありました。その他メディアでも広く報道されています。

報道によれば、「破産者の情報を地図上に示した無料ウェブサイト「破産者マップ」でプライバシーと名誉を侵害されたとして、氏名や住所を掲載された2人がサイト運営者に計22万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。「ネットの地図上で可視化するのは公益性がまったくない」と訴えている」とのことです。

サイト自体は個人情報保護委員会の行政指導により2019年3月に閉鎖されておりますが、それから約2年半経過してからの提訴となりました。各種報道によれば相手方本人の特定や送達に相当の時間を要したとのことですが、本件ではサイト運営者の身元が不明であり、特定に相当のコストがかかったことは容易に想像ができます。

サイト運営者側は争っており、いずれ地裁判決で判断がなされるものと思われます。訴訟については経過等わかればおってこちらでも取り上げたいと思います。

 

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2021.09.15更新

毎日新聞で、「ネット上の中傷対策、侮辱罪に懲役刑導入 法制審総会で諮問へ」との記事が掲載されています。

同記事によれば、「インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策として、上川陽子法相は14日、刑法の侮辱罪を厳罰化する法改正を16日の法制審議会(法相の諮問機関)総会に諮問すると発表した。侮辱罪の罰則は刑法で最も軽い「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」と規定されているが、新たに懲役や禁錮刑を導入する」とのことです。

侮辱罪の厳罰化があっても、匿名者の投稿について捜査機関が特定に及び腰であることから厳罰化自体にはあまり意味が無いのは既にブログに書かせて頂いたとおりです。ただ、この記事にも指摘がある公訴時効の長期化(1年から3年)という点については、侮辱罪の立件に繋がりやすくなる可能性はあります。

現在、匿名者の投稿について捜査機関が自ら特定を行なうことは消極的ですので、被害者側が自ら民事上の手続(プロ責法による発信者情報開示)を行なわなければならないことが通例です。ただこの手続にも半年~1年程度の時間がかかってしまい、現行法の侮辱罪ですと発信者情報開示の手続の間に公訴時効期間が経過してしまうという難点があります。この点のみを見てみれば改正の意味はあるかも知れません。

投稿者: 弁護士大窪和久

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