弁護士大窪のコラム

2021.04.22更新

以前も当ブログでとりあげていた、プロバイダ責任制限法の改正案が昨日21日の参議院本会議で可決されました。改正法は2022年末までに施行される予定です。

本法律改正では、こちらの記事でも取り上げられている新しい裁判手続(これまで二度の手続を要していた発信者情報開示が一回の手続で完結するようになる)が目玉となっていますが、それ以外にもログイン情報の開示を明文で認めたり、裁判外での開示促進に関する条文を入れるなど、従前の制度より改善されている点がいくつかあります。

もっとも、改正法でも開示の要件緩和しませんでしたので、法改正がなされたとしても権利侵害の明白性についてプロバイダ側が厳しく争ってくることには違いはありませんし、新しい裁判手続についてはプロバイダ側が異議を出して正式な裁判に持ち込むことも可能ですので、どこまで開示者にとって利便性が高まるかについては運用が始まってみないと分からない点が多いです。また、本改正案の付帯決議で定められた事業者向けガイドラインの作成で、どのような内容が定められるのかも注目していきたい所です。新しい情報が入ってきましたらまた当ブログで取り上げてみたいと思います。

 

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2021.04.02更新

本年4月1日付で、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(取引透明化法)について、同法の規制対象となる事業者を指定されると共に、デジタルプラットフォームを利用する事業者の相談に応じ、解決に向けた支援を行うための相談窓口を設置されました(経産省ニュースリリース)。

取引透明化法は、デジタルプラットフォームにおいて規約の変更や取引拒絶の理由が明らかにされないなど、不透明な実態があることから定められた法律です。今回規制対象とされた事業者は、オンラインモールの関係ではアマゾンジャパン合同会社、楽天グループ株式会社、ヤフー株式会社で、アプリストアの関係では、Apple Inc.及びiTunes株式会社、Google LLCとなっております。

経済産業省は、相談窓口で得られた事業者の声を元に課題を抽出し、取引環境の改善を目指すと言うことですので、積極的に利用されることをお勧め致します(窓口はこちら)。

デジタルプラットフォームを運営する会社に関する相談は、事業者からも消費者からも少なからず受けておりますが、対応がかなり硬直的であり、情報も公開しないという傾向はやはり見られます。本法の運用を通じて少しでも対応が改善されれば良いと思います。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

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