4月になると、ほかの官庁同様に裁判所と検察庁は人事が動きます。
今年の異動については、例年と異なり、なんと「旭川地検稚内支部兼名寄支部長」として正検事が赴任されています。
http://www.e-hoki.com/affairs/505.html?hb=1
検察庁の支部がある以上検事が赴任するのは当たり前、と思うのが常識的判断だと思いますが、そんなことはありません。旭川の検察庁の支部では正検事が常駐しておらず、名寄支部および稚内支部にもこれまで副検事のみが常駐していました。
しかも、「旭川地検稚内支部兼名寄支部長」は肩書だけで実際には旭川にいるだけではないのかという(私の)予想を裏切り、どうも稚内に常駐されるとの情報が入っております(関係者の方間違っていたらご指摘ください)。
これまで旭川の検察庁支部には法曹資格のある正検事はおらず、裁判官も法曹資格のある判事は月三日しか裁判所にこないという「ハコもののみ支部」という状況だったのでした。これが検察庁に関しては「ハコもののみ支部」ではなくなるということになったので、まさに朗報といえます。
私が名寄に行く前にいた鹿児島地検名瀬支部には、正検事が常駐していました。副検事では扱えない刑事事件も扱っているのは当然のことですが、刑事事件の内容にも副検事より踏み込んだ話もできますので、弁護人としても正検事が支部に常駐しているのはありがたかったです。
また、被害者の代理人の立場であったときには、正検事と連絡を取り合いつつ迅速に事案の解決に向けて活動することができました。被害者にとっては検事が自分の街にいるというのは心強いと思います。
もっとも、稚内と名寄との間は170キロほど離れていますので、できれば兼任ではないほうが良かったと思いますが、まず第一歩前進したということが重要です。