海外の会社が運営元となっているSNSの投稿について、投稿削除あるいは投稿者の発信者情報開示の仮処分を申し立てる場合、海外の会社に対して申立書副本や疎明資料を送達することが必要となります。
ただ、今年の春以降、コロナウイルス感染拡大を理由として海外へのEMS事情が悪化し、送達にも支障が出るという問題が生じました。
このため、東京地裁9部では、海外の会社を相手にする投稿削除あるいは発信者情報開示の仮処分に関して、代理人となる予定の弁護士を申立人に伝えた上、申立人より代理人(予定者)に連絡を取り、申立事件について代理人になる意向の確認及び意向がある場合には期日候補日の確認を行なわせる取り扱いをすることがあります。
裁判所がこのような扱いをする場合、申立書副本等については海外の会社にではなく代理人(予定者)に送達することになります。
もっとも、今後郵便事情等改善されれば従前の取り扱いに戻ることが予想されますし、会社によっても取り扱いは異なる可能性はありますので、あらかじめ裁判所に運用を確認した上で申立準備を行なった方が良いでしょう。