11月30日に、ツイッターの投稿のリツイートに対する法的責任を認めた東京地方裁判所の判決があり、各種メディアでも取り上げられています。
同判決の判決文については本日の時点では確認できておりませんが、ツイッターの投稿のリツイートに対する法的責任を認めた裁判例は珍しくありません。
昨年6月23日に大阪高等裁判所が出した判決(令和元年(ネ)第2126号)では、リツイートにより多数の閲読者が元ツイートを閲読することが可能な状態におかれることに着目し、「本件元ツイートの表現の意味内容が一般閲読者の普通の注意と読み方を基準として解釈すれば他人の社会的評価を低下させるものであると判断される場合,控訴人が本件投稿によって本件元ツイートの表現内容を自身のアカウントのフォロワーの閲読可能な状態に置くということを認識している限り,違法性阻却事由又は責任阻却事由が認められる場合を除き,本件投稿を行った経緯,意図,目的,動機等のいかんを問わず,本件投稿について不法行為責任を負うものというべきである」との判断を行なっています。確かに、元ツイートがそのままの形で拡散することそれ自体が被害を拡大するものですから、本高裁判決の考え方は基本的に妥当だろうと私も考えています。
クリック一つで簡単に行なうことができるリツイートですが、それを行なうことにより重い責任が課されることもありますので、リツイートを行なうにあたってはその点を考慮して行なうべきでしょう。