弁護士大窪のコラム

2021.09.15更新

毎日新聞で、「ネット上の中傷対策、侮辱罪に懲役刑導入 法制審総会で諮問へ」との記事が掲載されています。

同記事によれば、「インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策として、上川陽子法相は14日、刑法の侮辱罪を厳罰化する法改正を16日の法制審議会(法相の諮問機関)総会に諮問すると発表した。侮辱罪の罰則は刑法で最も軽い「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」と規定されているが、新たに懲役や禁錮刑を導入する」とのことです。

侮辱罪の厳罰化があっても、匿名者の投稿について捜査機関が特定に及び腰であることから厳罰化自体にはあまり意味が無いのは既にブログに書かせて頂いたとおりです。ただ、この記事にも指摘がある公訴時効の長期化(1年から3年)という点については、侮辱罪の立件に繋がりやすくなる可能性はあります。

現在、匿名者の投稿について捜査機関が自ら特定を行なうことは消極的ですので、被害者側が自ら民事上の手続(プロ責法による発信者情報開示)を行なわなければならないことが通例です。ただこの手続にも半年~1年程度の時間がかかってしまい、現行法の侮辱罪ですと発信者情報開示の手続の間に公訴時効期間が経過してしまうという難点があります。この点のみを見てみれば改正の意味はあるかも知れません。

投稿者: 弁護士大窪和久

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