弁護士大窪のコラム

2020.09.20更新

メールやホームページでの連絡で、この事件であれば幾らになりますか、というご質問を良く受けます。幾つもの事務所にも同様の連絡をして価格比較をして決めたい、という方もしばしばいらっしゃいます。

この点、事務所のホームページでおおよその料金については公開しているので、まずはそちらを確認して欲しいとの案内をしております。

もっとも、実際の料金については具体的な事象を聞いた上でないとなかなか正確な数字を出せない場合が多いので、委任を検討されている方については直接の相談の上で見積もりを作成させていただくことをご提案いたします。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.18更新

NHKのニュースで、「入れ墨のタトゥーの彫り師をしている男性が医師の免許がないのに客にタトゥーを入れたとして医師法違反の罪に問われた裁判で、最高裁判所は検察の上告を退ける決定をし、無罪が確定することになりました」との報道がありました。

ツイッターでも「あの最高裁がここまで踏み込んだ意見を出すのが驚き。これは弁護団の並々ならぬ尽力による成果なのだと思います」と書かせていただいたとおり、画期的な判断であると考えます。裁判長の補足意見で、「タトゥーの施術による保健衛生上の危険を防ぐため法律の規制を加えるのであれば、新たな立法によって行うべきだ」との立法提言がなされていますが、刑事訴訟の最高裁判決がここまで踏み込んだ立法提言を行うことはなかなかありません。

いずれ最高裁のホームページ等で判決文が公開される事件だと思いますので、公開後当ブログに改めて紹介させていただこうと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.17更新

ホームロイヤー(主に高齢者や障がい者の方が感じている将来の生活や財産管理等に関する不安を解消するために,法律相談や財産管理などを通じて継続的な支援を行う弁護士のこと)について、弁護士の中でもそれほど周知度が無いということが先日ツイッター上で話題になりました。

私の所属する第二東京弁護士会でも案内を行っていますが、確かに周知は余りされていないかも知れません。当ブログでも3年くらい前に取り上げました。まだ後見等まで必要というまでもないものの、将来に備えて契約をしておくという方はいらっしゃいます。また、万一のことがあった場合に死後事務(私物の処理、デジタルデータの消去等)を行うということで契約するということもありうるかと思います。

私の場合、上記ホームロイヤーに限らず、日々の困りごと対策で個人顧問はコンスタントに受任しております。ご相談に応じてオーダーメイドしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.16更新

本日(2020年9月16日)の午前2時にApple社が発表を行ない、AppleWatchやiPadの新製品を発表しました。発表の詳細については数々のメディアで取り上げられていますが、自分が見た中ではengadgetのこのページが一番よくまとまっていると思いました。

個人的には、Apple Watchの更新に期待していましたが、大きな変化としてあげられている血中酸素飽和度センサーや高度計については、日常生活ではあまり使わないと思われ、購入については見送りを考えています。一方iPadAirについては、機能がiPad Proにもかなり近いところまで充実しており、新しく購入するのであれば相当魅力的ではないかと考えています(もっとも、既にiPad Proは購入したばかりのものがありますので、個人的には不要ですが)。

新製品のほか、Apple One(すでにAppleが展開している複数のサブスクリプションをまとめて割引する)が発表されており、こちらについては大変お得感があるので加入することになると思います。もっともこのサービスに対しては早速Spotifyが「支配的な地位と不公正な慣行」「反競争的な行為」として批判する声明をだしているようです。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.15更新

2014年にベネッセコーポレーションが個人情報流出させた事件を覚えていらっしゃいますでしょうか。

この事件については、個人情報流出について損害賠償を求める民事訴訟が複数提起されています。そのうちの一件(男性が慰謝料を求めた訴訟の差し戻し控訴審)で、2019年11月20日に大阪高裁は、プライバシー侵害を認め1000円の支払を命じた判決を下しています。この裁判は、一審と二審はともに損害を認めていませんでしたが、2017年に最高裁が精神的損害の有無や程度を十分に検討されていないとして、審理を高裁に差し戻したという経緯を辿っていました。

この事件の判決文については最高裁のホームページで掲載されていますし、判例時報2448号28頁でも紹介されていますので、興味を持たれた方は判決文にあたってみてください。本件訴訟の争点であるそもそも精神的損害が発生したと言えるか否かという点についてはかなり丁寧な認定を行なっていると思いました。

裁判所は、氏名・住所・電話番号等に関して「今日のように,情報ネットワークが多様化,高度化し,容易に入手可能なさまざまな情報を組み合わせることによって趣味嗜好や思想等まで把握されかねない危険性のあることが危惧されていることにも鑑みると,本件個人情報は,個人特定の基本となるベース情報として機能し,それを基に情報集積がされかねないものとしては重要な価値を持つものと評価すべき」とし、また本件で流出した子の氏名・性別・生年月日及び親との続柄については、「日常的に開示されることが多いものであるとはいえ,家族関係が一定程度明らかになる情報や
教育に関心が高いという属性が含まれており,前者に比してより私的領域性の高い情報ということができる」と認定しました。

また、上記各情報が流出したことにより、情報流出元が「教育関係の会社であったことや控訴人の年齢等から今後の学業生活等に関する支出が見込まれる顧客情報として,それらに関係する業者からは価値のある情報として有望視されることは避けられないもの」であり業者等からの広告,販売活動を受け,それに煩わしさや不快を感じる機会が増大することが予想されること、「流出した情報の全てを回収して抹消させることは不可能な状況となっているといわざるを得ない」ことなどから、「故意かつ営利目的を持って本件個人情報が流出したこと自体が精神的苦痛を生じさせるものである上,その流出した先の外縁が不明であることは控訴人の不安感を増幅させるものであって,このような事態は,一般人の感受性を基準にしても,その私生活上の平穏を害する態様の侵害行為」であるとしました。

そして、損害に関して、「本件個人情報を利用する他人の範囲を控訴人が自らコントロールできない事態が生じていること自体が具体的な損害であり,控訴人において予め本件個人情報が名簿業者に転々流通することを許容もしていないのであるから,上記のような現状にあること自体をもって損害と認められるべき」として肯定しています。

本件での損害額(1000円)自体は率直に言って低額に過ぎるのではないかと思われますが、損害認定に至る論理については他の事案でも参考になると考えますので、本ブログでも紹介させて頂きました。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.14更新

ドコモ口座の不正利用の被害が広がっています。engadgetの記事によれば、9月14日時点で被害件数120件、被害額は2542万円に拡大しているとのことです。

今回の被害については、ドコモ口座を利用していなくても、登録可能な銀行の銀行口座があれば、そこから被害を受ける可能性があるとのことです。

よって銀行口座について確認した上、被害が生じている場合には問い合わせ窓口にまず連絡してください。ドコモは本件について被害は全額弁償する方針の様ですが、そのためにも被害申告が必要になります。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.13更新

弁護士ドットコムにて、「「業務用スープを使用している」などと指摘する投稿をフェイスブックなどで繰り返され、社会的評価を低下させられたとして、2019年7月24日、110万円の損害賠償を求める裁判」の内容に関する記事が掲載されていました。

名誉毀損訴訟における争点、立証のポイント等がよくわかる記事で、訴訟がどのように進みどのような結末を迎えるかイメージするにはとても良いと思います。

ただこの原告となった経営者の方は、判決内容について相手方が投稿をやめなかったことから、「裁判の請求に、投稿の削除と、謝罪と訂正の掲載を盛り込んでおくべきでした」とおっしゃっています。確かに再度の投稿をいかに防止させるかということはこの手の事件ではよく問題になりますので、損害賠償だけで請求として足りるかどうかは名誉毀損訴訟では気をつけておくべき点といえるでしょう。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.12更新

海外の会社が運営元となっているSNSの投稿について、投稿削除あるいは投稿者の発信者情報開示の仮処分を申し立てる場合、海外の会社に対して申立書副本や疎明資料を送達することが必要となります。

ただ、今年の春以降、コロナウイルス感染拡大を理由として海外へのEMS事情が悪化し、送達にも支障が出るという問題が生じました。

このため、東京地裁9部では、海外の会社を相手にする投稿削除あるいは発信者情報開示の仮処分に関して、代理人となる予定の弁護士を申立人に伝えた上、申立人より代理人(予定者)に連絡を取り、申立事件について代理人になる意向の確認及び意向がある場合には期日候補日の確認を行なわせる取り扱いをすることがあります。

裁判所がこのような扱いをする場合、申立書副本等については海外の会社にではなく代理人(予定者)に送達することになります。

もっとも、今後郵便事情等改善されれば従前の取り扱いに戻ることが予想されますし、会社によっても取り扱いは異なる可能性はありますので、あらかじめ裁判所に運用を確認した上で申立準備を行なった方が良いでしょう。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.11更新

これまで既に様々な刑事弁護人が指摘していることではありますが、改めて、「逮捕されたときにはまず黙秘して弁護士を呼ぶ」ことを強く推奨いたします。

弁護士が会いに行く前に取調で警察官に事件のことを話し、その後警察官に供述調書を作られることは良くありますが、あとになってその供述調書の内容をみると、自分が思ってもいない内容に仕上がっていることが良くあります。あとの裁判でその内容を訂正しようとしても、裁判官は裁判所で話した内容よりも初期の供述内容の方が信用できるとして聞き入れてくれなかったり、話している内容が二転三転しているとして言い分を否定しています。

憲法で黙秘権が保障されていることは皆さんご存じであると思いますが、実際にいざ警察官を目の前にして個室で話をする状況では黙秘権を行使できず、警察官に迎合して話をしてしまうということになってしまうことが多いです。

事件について実際に自分がやっている場合でも、そうでない場合でも、まず弁護士に接見に来てもらい、相談することが重要です。事件についてやっていない場合であれば黙秘権を引き続き行使して警察に情報を与えないという方針をとるということもできますし、事件についてやっている場合でも、どのように話せば事実を伝えられるか考えることができます。

ですので、逮捕された時にはまず「弁護士が来るまでなにも話しません」といい、弁護士を呼びましょう。警察の方が「弁護士など役に立たない」「弁護士は信用できない」「弁護士は金のことばかり考えているのであなたのためにならない」などいうかも知れませんが、気にせず呼びましょう。知り合いに弁護士がいない場合でも、弁護士会の当番弁護士を呼んで欲しいと警察官に言えば、弁護士が接見に来てくれます。弁護士に話を聞いてもらい、それから落ち着いて今後のことを考えましょう。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.10更新

弁護士ドットコムタイムズで、民事法律扶助制度の利用を認めなかったのは不法行為であるとして、弁護士法人が法テラス本部に対して損害賠償を請求したことが記事として掲載されていました。

弁護士法人側が問題としているのは、法テラスの援助要件(資力が一定額以下であること、勝訴の見込みがないとはいえないこと、民事法律扶助の趣旨に反すること)の要件を満たしていたにも関わらず、費用対効果を理由に不開始決定したことです。

私も、過去に事件を持ち込みで法律扶助申請をしたところ、審査担当者より、争いになっている金額が少なくこの金額で弁護士を付けることが果たして本人の利益になるかどうか、民事法律扶助の趣旨に合致しているのかどうか問題になり得るので検討してもらいたいと言われたことはありました。結局その事件では結果として援助開始決定を得ることになりましたが、法テラスで費用対効果の面で民事法律扶助の趣旨に反するか否かということを各事件で検討しているのは間違いないと思われます。上記記事中でも法テラスが一般論と断りながらも、「費用対効果があるかどうかも審査の視点になってくることはあり得る」と言及しており、費用対効果を法律扶助要件として認めるのかどうかは司法判断されるのでは無いかと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

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