弁護士大窪のコラム

2021.02.24更新

以前こちらのブログで紹介した弁護革命で大幅なバージョンアップが行なわれましたので簡単に紹介します。

バージョンアップ後、「PDF書き込み機能」が加わりました(こちらの動画で機能紹介がなされています)。

注釈モードにすると、PDFにマーカーで強調したり、付箋を入れて書き込みを入れたりすることが可能です。注釈モードで書き込み等を入れた場合でも、書き込みを入れていないオリジナルのPDFは保存されており、書き込みを入れたPDFもオリジナルのPDFも両方ダウンロードすることが可能です。PDFに書き込みをすること自体は個別のアプリケーションでも行なうことはできるのですが、ブラウザ上でこのような作業が簡単にできてしまうのはとても便利ですし、データについては複数人で共有することも可能なので弁護団で検討することも可能です。

また、今回のバージョンアップで「証拠番号埋め込み機能」が加わり、これも便利です(こちらの動画で機能紹介がなされています)。

裁判所に書証を紙で提出する場合、印刷した書証に「弁○号証」などの証拠番号を入れる必要がありましたが、印刷したものにいちいち書き込んでいくのは手間です。PDFにアプリケーションで証拠番号を手作業で個別に入れた上印刷するというやり方もありますが、これも手間であることには変わりません。弁護革命ではオリジナルのPDFに証拠番号を埋め込んだものを一括で準備することができてしまうので、証拠番号を入れる手間が一気に無くなりました。

弁護革命は、多数の資料を検討する必要がある弁護団事件で特に威力を発揮しますが、今回のバージョンアップで更に有用性が上がりました。今後弁護団で事件をする際には是非導入していこうと思います。

 

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2021.02.17更新

INTERNET Watchで、「Clubhouseの一部データ、中国企業からアクセスできる可能性。スタンフォード大調査」という記事が掲載されています。

記事によれば、「Clubhouseのデータの一部に中国企業からアクセスできる可能性があることがスタンフォード大学の調査で判明し、物議を醸している。これは同大学のサイバーポリシーセンターが発表したもので、送信されているとみられるのはユーザー固有のClubhouseのIDとチャットルームのID。送信先はClubhouseにAPIを提供している上海のソフトウェアプロバイダーAgora社で、つまり誰がどのチャットルームにいたか、Agora社を経由すれば確認できてしまうことになる」ということです。

この点に関しスタンフォード大学のサイトでも詳細なリポートが掲載されているので、興味のある方はこちらも参照してみてください。ポイントとなるのは、Agora社が中国に拠点を置いているため、中国のサイバーセキュリティ法の対象になり、Agora社が保有しているデータが中国政府に開示されるリスクがあると言うことです。特に問題となるオーディオデータについてはClubhouseの方としては保存していないとアナウンスしていますが、仮にそれが事実であるとしても、誰がどのチャットルームで話をしていたか中国政府により特定可能というだけでも、懸念するには十分であると言えます。

今後このアプリがどうこの問題に対応するのか(しないのか)は問題ですが、少なくとも当面は使用するのを控えた方が良いかも知れません。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2021.02.16更新

今月13日に福島県沖で大きな地震が発生致しました。被災した方々にお見舞いを申し上げます。

大きな災害が起こる際にいつも有ることではありますが、今回の地震に便乗した詐欺も横行するものと思われます。

国民生活センターでも今回下記の投稿で注意喚起を行っております。

https://twitter.com/kokusen_ncac/status/1361133125858783237

投稿にある通り、災害に乗じた悪質な修理業者というものがいつも出てきますので、直ぐに契約を行わないことが肝要です。詳細は下記のサイトにてご確認ください。

http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/disaster.html

投稿者: 弁護士大窪和久

2021.02.08更新

音声SNSアプリ「Clubhouse」が話題になっています。現在はユーザー数を制限するためか、招待制になっています。私も招待を受けて、どのようなものかを試してみました。

内容としては、音声のみのSNSサービスというもので、モデレーターが作った「ルーム」において、モデレーターとモデレーターが選択した者が話すことができ、その他のユーザーは聞き手に回るというものです。既存のSNSサービスで言えば、ゲーム実況等で使われているdiscordと余り変わりませんが、発言者を「ルーム」の主であるモデレーターが選択することができるのがサービスの肝です。相互コミュニケーションを取るSNSというより、主催者が講演やシンポジウムを手軽に出来るという種類のツールと考えれば良いと思います。

この「Clubhouse」については、今後トラブルが急増することが予想されます。まず「ルーム」内で誹謗中傷やプライバシーの侵害にあたるような発言が行なわれることは今後あるでしょう。ここで問題になるのが、「Clubhouse」では実名での利用が推奨されているものの、実際にはハンドルネームと思われる名称で使っている人が多々おり、その場合どこの誰が誹謗中傷等行なったのか特定しなければならないという点です。他のSNSでもこの点は問題となり、プロバイダ責任制限法による手続により発信者情報開示を行なうことになります。ただ、「Clubhouse」の場合、この記事で中澤弁護士が指摘されているとおり、現時点では日本向けでのサービス提供がされていないことから、日本法は使えず、「Clubhouse」の運営会社のある米国にて証拠開示制度を使う必要があるでしょう。

また、「Clubhouse」を使い、詐欺のトラブルが生じることも今後あると思われます。現時点でも音声の利用が出来るという点で類似のサービス「LINE」を使い、詐欺のトラブルは多発しています。「LINE」同様、「Clubhouse」も電話番号さえ有ればハンドルネームや偽名を使って利用することが可能であり、詐欺の被害に遭ったものの、相手方の情報が分からず泣き寝入りにあうということは考えられます。「LINE」の場合、運営会社は原則として詐欺事件でも利用者の個人情報の開示には応じない姿勢を見せており、警察に相談しても被害救済にはなかなか結びつかないのが現状です。「Clubhouse」がどう対応するかはまだ分かりませんが、これまでの海外のSNS運営会社と同様の対応をとるということであればかなり厳しいのではないかと思われます。以上のような点を踏まえると、「Clubhouse」の素性の分からない相手との取引に関しては応じるべきではないでしょう。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2021.02.04更新

読売新聞の記事によれば、「厚生労働省は3日、新型コロナウイルス感染者と接触した可能性を知らせるスマートフォン用アプリ「COCOA(ココア)」について、グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」版で昨年9月下旬以降、接触があっても通知されない不具合が続いていた」ということで、非常に驚きました。アンドロイド端末にダウンロードされたCOCOAは全体の約3割(770万ダウンロード)にあたり、それだけ多くの利用者が濃厚接触者に該当する場合でも通知を受けることがなかったということになります。各種イベント等で参加者にCOCOAの利用が義務づけられ、それで濃厚接触の有無等確認してきたわけですが、今回の件でそれがザルであったことが明らかになりました。

昨年9月に不具合が生じていたにも関わらず1月になるまでそれが発覚しなかった原因について、朝日新聞の記事によれば「9月28日のバージョンアップ時点では、接触確認アプリが感染拡大に備えてすみやかに多くの人につかってもらうことを重視していた。十分なテストをする環境が遅れていた。そのあと、テスト環境をつくって実機テストをするべきところをしていなかった」と厚生労働省が説明しているということで、驚くしか有りません。この手のアプリで実機テストすら行わないまま運用を続けてきたということは信じがたいものがあります。

そもそも、昨年9月以降は、私のブログでも紹介させて頂いたとおり、appleとgoogleが提供している接触通知システムであるExpressを採用することで、アプリがなくともOSの基本機能のみで接触通知を受けられる状況にありました。ただ日本では既にCOCOAを導入していたため、ExpressではなくCOCOAにより濃厚接触の有無を確認する方針をとってきたのです。それにも関わらずCOCOAがこの体たらくであるならば、最初からCOCOAを廃止してExpressを採用するべきではなかったかと思います。国費の無駄であるばかりではなく、濃厚接触の有無が分からず、結果としてコロナウイルスの感染拡大が広げたという事態も生じてきた可能性も否定できません。

厚労省では原因究明を図るとのことですが、そもそもCOCOAのダウンロード率が上がっていないという点もクリアされていないことも鑑みれば、COCOAの利用自体を諦めExpressを採用すべきではないかと考えます。

 

 

投稿者: 弁護士大窪和久

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