弁護士大窪のコラム

2020.11.11更新

刑事事件で逮捕勾留されてしまい、長期間身柄が拘束されることのつらさは体験した人しか分からないだろうと思います。勾留をはじめてなされた人は例外なく、一秒でも早く外に出たいという希望を持ちます。

勾留に対してなしうる手続はいくつかありますが、今回は勾留理由開示について説明します。

憲法及び刑事訴訟法は、被告人について、裁判所に勾留理由の開示を請求することを認めています(憲法34条後段、刑事訴訟法82条1項)し、被疑者については勾留状を発布した裁判官に対して勾留理由の開示の請求をすることが認められています(刑事訴訟法207条による82条の準用)。また被疑者・被告人本人だけではなく、弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹その他利害関係人も請求することが出来ます(刑事訴訟法82条2項)。

勾留理由開示があった場合には、裁判所は5日以内に開示期日を指定した上(刑事訴訟規則82条1項、同84条)、公開法廷で勾留の理由を答える必要があります(憲法34条後段、刑事訴訟法83条1項)。

勾留理由開示については、裁判官が抽象的なことを話すに留まり、形骸化されているとも言われています。ただ、私の経験上は事前の求釈明を具体的に行なえばそれに応じてある程度の回答が裁判官より得られることもあり、勾留について問題がある場合には積極的に行なうべき手続と思います。また、副次的な効果として、公開法廷で行なわれる関係上接見禁止がついている被疑者被告人であっても、傍聴席の家族に顔を見せることができるという面もあります。

他方、公開法廷になるべく出たくは無いという意向を被疑者被告人が持つ場合には手続を取りにくいという面もありますので、被疑者被告人の意向を尊重した上手続をなすか否か判断することは当然必要となります。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

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