弁護士大窪のコラム

2020.09.27更新

弁護士として長年業務を続けていると、様々な相談を受けることになりますが、これまで一番辛いと感じた相談が、借金を理由として自殺した方の遺族からの相談でした。こればかりは何回経験しても慣れることはありません。

借金それ自体については相続放棄等で解決はできてしまうのですが、失われた命は戻ってきません。しかも、仮に生前に相談に来てさえくれていれば、債務整理を行なうことにより法的に解決できてしまうようなものばかりでした。中には過払い金を回収することでむしろお金が返ってくるようなこともありました。

借金の返済に追われて心が疲弊して追い込まれてしまい、家族親族にも言えず、とても辛い状態になってしまうということは良くわかります。ただ命をかけなければいけないほどの借金というものはありません。これまで数多くの債務整理をいろいろな場所で手掛けてきましたが、弁護士がしっかりと手続をすることにより、問題を解決して生活再建に繋げてきています。

借金で自殺する必要は全くありません。今では無料で債務整理の相談をしてくれる窓口がたくさんありますので、まず相談することを考えてみてください。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.25更新

河北新報にて、特殊詐欺で現金500万円をだまし取られたものの、8年越しで全額の回収に成功したことが記事に掲載されています。

記事によれば、500万円を会社代表者Aに騙された被害者が、お金を騙し取った民法上の不法行為等や会社法違反による損害賠償を求め提訴し、裁判自体はAが出頭せず早期に勝訴が確定しています。

ただし、回収に関しては、会社への動産執行等が功を奏さず一旦断念したとのことです。

このような詐欺案件については、会社等あってもそもそも営業実態がなく、会社に財産がないことは通常です。また詐欺を行なうために作った会社の代表者も、黒幕が便宜的に準備した末端の人間であることが多く(事実関係すらろくに把握していないことがよくあります)、代表者個人から強制執行することもままならないまま、回収を断念するに至ることも珍しいことではありません。

ただ、本件については、被害者の代理人である東弁護士が諦めることなく財産調査を行ない、Aの財産隠し(Aの親名義だった自宅を、Aへの相続を経ずに別の男性B名義に移転させる)を見逃すことなく法的手続を行ないました。その結果Aの親名義だった自宅を競売にかけることにより全額回収に至っています。

本件は被害者及び被害者代理人が、回収を諦めることなく、回収の可能性を探り、粘り強く数年かけて手続をかけた上での回収であり、なかなかできることではありません。ただこのように回収に繋がることもありますので、詐欺に遭われた方は泣き寝入りをせずにまずは弁護士への相談を行なって欲しいと思います。

なお、東弁護士は2007年に気仙沼ひまわり基金法律事務所に赴任したあと、5年の任期を経て定着され以後引き続き気仙沼の地で仕事を続けておられます。弁護士過疎地域において弁護士が長年活動を続けていなければ、このような被害者を救うことはできなかったでしょう。あらためて弁護士が真摯に弁護士過疎地域で活動し続けることの重要性を実感させられました。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.24更新

以前当ブログで、勾留請求却下率について、東京地裁では近年増加しており、検察官が勾留請求を行う場合でも認められないケースが増えてきたことを指摘しました。

http://www.okubo-lawyer.jp/blog/2017/09/post-6-511055.html

ただ、昨年末以来東京地裁では、身柄拘束について以前より慎重になる傾向があり、例えば保釈などでも保釈金の金額を従前より高額にしてきています。勾留請求却下についても、今後揺れ戻しになり却下率が減少するかもしれません。

また、検察官は従前通り、刑事訴訟法60条1項各号所定の勾留の各理由が乏しいにもかかわらず勾留請求することには変わりありません。

このような状況では、弁護人による活動により、勾留の理由がないことについての主張や疎明をすることが身柄解放のためには今まで以上に重要になっていると言えます。逮捕後の身柄拘束の長期化は、状況によっては犯罪による刑罰(罰金や執行猶予付き懲役など)より遙かに社会的なダメージが大きくなるものでありますので、逮捕後においてはいち早く弁護人についてもらい身柄解放に向けて動いてもらうことが必要です。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.23更新

弁護士業務上の工夫(続・タスク管理について)で、タスク管理についていろいろな流儀がある旨書かせていただきました。

私はデジタル派で、「todoist」というツールを使って管理していますが、アナログツールを使うやり方でもその人が使いやすければそれでいいと思います。

ただ、どのようなツールをつかうにしても、タスク管理について一元化し、ここを見ておけば他の場所を見なくても良いという形を作ることが重要です。タスク管理が分散してしまうと、結局見なくなってしまいます。

また、タスク管理については、定期的な見直しは必要だと思います。私の場合、週に一回全体的な見直しを行ない、どの日時にタスクを行なうかスケジュールに入れ込んでおきます。また、毎日朝に調整をおこない、進捗に応じてスケジュールおよびタスクの内容を見直しています。時間を当てなければタスクを行なうことはできないので、具体的に時間を割り振ることはとても重要だと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.20更新

メールやホームページでの連絡で、この事件であれば幾らになりますか、というご質問を良く受けます。幾つもの事務所にも同様の連絡をして価格比較をして決めたい、という方もしばしばいらっしゃいます。

この点、事務所のホームページでおおよその料金については公開しているので、まずはそちらを確認して欲しいとの案内をしております。

もっとも、実際の料金については具体的な事象を聞いた上でないとなかなか正確な数字を出せない場合が多いので、委任を検討されている方については直接の相談の上で見積もりを作成させていただくことをご提案いたします。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.18更新

NHKのニュースで、「入れ墨のタトゥーの彫り師をしている男性が医師の免許がないのに客にタトゥーを入れたとして医師法違反の罪に問われた裁判で、最高裁判所は検察の上告を退ける決定をし、無罪が確定することになりました」との報道がありました。

ツイッターでも「あの最高裁がここまで踏み込んだ意見を出すのが驚き。これは弁護団の並々ならぬ尽力による成果なのだと思います」と書かせていただいたとおり、画期的な判断であると考えます。裁判長の補足意見で、「タトゥーの施術による保健衛生上の危険を防ぐため法律の規制を加えるのであれば、新たな立法によって行うべきだ」との立法提言がなされていますが、刑事訴訟の最高裁判決がここまで踏み込んだ立法提言を行うことはなかなかありません。

いずれ最高裁のホームページ等で判決文が公開される事件だと思いますので、公開後当ブログに改めて紹介させていただこうと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.17更新

ホームロイヤー(主に高齢者や障がい者の方が感じている将来の生活や財産管理等に関する不安を解消するために,法律相談や財産管理などを通じて継続的な支援を行う弁護士のこと)について、弁護士の中でもそれほど周知度が無いということが先日ツイッター上で話題になりました。

私の所属する第二東京弁護士会でも案内を行っていますが、確かに周知は余りされていないかも知れません。当ブログでも3年くらい前に取り上げました。まだ後見等まで必要というまでもないものの、将来に備えて契約をしておくという方はいらっしゃいます。また、万一のことがあった場合に死後事務(私物の処理、デジタルデータの消去等)を行うということで契約するということもありうるかと思います。

私の場合、上記ホームロイヤーに限らず、日々の困りごと対策で個人顧問はコンスタントに受任しております。ご相談に応じてオーダーメイドしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.16更新

本日(2020年9月16日)の午前2時にApple社が発表を行ない、AppleWatchやiPadの新製品を発表しました。発表の詳細については数々のメディアで取り上げられていますが、自分が見た中ではengadgetのこのページが一番よくまとまっていると思いました。

個人的には、Apple Watchの更新に期待していましたが、大きな変化としてあげられている血中酸素飽和度センサーや高度計については、日常生活ではあまり使わないと思われ、購入については見送りを考えています。一方iPadAirについては、機能がiPad Proにもかなり近いところまで充実しており、新しく購入するのであれば相当魅力的ではないかと考えています(もっとも、既にiPad Proは購入したばかりのものがありますので、個人的には不要ですが)。

新製品のほか、Apple One(すでにAppleが展開している複数のサブスクリプションをまとめて割引する)が発表されており、こちらについては大変お得感があるので加入することになると思います。もっともこのサービスに対しては早速Spotifyが「支配的な地位と不公正な慣行」「反競争的な行為」として批判する声明をだしているようです。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.15更新

2014年にベネッセコーポレーションが個人情報流出させた事件を覚えていらっしゃいますでしょうか。

この事件については、個人情報流出について損害賠償を求める民事訴訟が複数提起されています。そのうちの一件(男性が慰謝料を求めた訴訟の差し戻し控訴審)で、2019年11月20日に大阪高裁は、プライバシー侵害を認め1000円の支払を命じた判決を下しています。この裁判は、一審と二審はともに損害を認めていませんでしたが、2017年に最高裁が精神的損害の有無や程度を十分に検討されていないとして、審理を高裁に差し戻したという経緯を辿っていました。

この事件の判決文については最高裁のホームページで掲載されていますし、判例時報2448号28頁でも紹介されていますので、興味を持たれた方は判決文にあたってみてください。本件訴訟の争点であるそもそも精神的損害が発生したと言えるか否かという点についてはかなり丁寧な認定を行なっていると思いました。

裁判所は、氏名・住所・電話番号等に関して「今日のように,情報ネットワークが多様化,高度化し,容易に入手可能なさまざまな情報を組み合わせることによって趣味嗜好や思想等まで把握されかねない危険性のあることが危惧されていることにも鑑みると,本件個人情報は,個人特定の基本となるベース情報として機能し,それを基に情報集積がされかねないものとしては重要な価値を持つものと評価すべき」とし、また本件で流出した子の氏名・性別・生年月日及び親との続柄については、「日常的に開示されることが多いものであるとはいえ,家族関係が一定程度明らかになる情報や
教育に関心が高いという属性が含まれており,前者に比してより私的領域性の高い情報ということができる」と認定しました。

また、上記各情報が流出したことにより、情報流出元が「教育関係の会社であったことや控訴人の年齢等から今後の学業生活等に関する支出が見込まれる顧客情報として,それらに関係する業者からは価値のある情報として有望視されることは避けられないもの」であり業者等からの広告,販売活動を受け,それに煩わしさや不快を感じる機会が増大することが予想されること、「流出した情報の全てを回収して抹消させることは不可能な状況となっているといわざるを得ない」ことなどから、「故意かつ営利目的を持って本件個人情報が流出したこと自体が精神的苦痛を生じさせるものである上,その流出した先の外縁が不明であることは控訴人の不安感を増幅させるものであって,このような事態は,一般人の感受性を基準にしても,その私生活上の平穏を害する態様の侵害行為」であるとしました。

そして、損害に関して、「本件個人情報を利用する他人の範囲を控訴人が自らコントロールできない事態が生じていること自体が具体的な損害であり,控訴人において予め本件個人情報が名簿業者に転々流通することを許容もしていないのであるから,上記のような現状にあること自体をもって損害と認められるべき」として肯定しています。

本件での損害額(1000円)自体は率直に言って低額に過ぎるのではないかと思われますが、損害認定に至る論理については他の事案でも参考になると考えますので、本ブログでも紹介させて頂きました。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.14更新

ドコモ口座の不正利用の被害が広がっています。engadgetの記事によれば、9月14日時点で被害件数120件、被害額は2542万円に拡大しているとのことです。

今回の被害については、ドコモ口座を利用していなくても、登録可能な銀行の銀行口座があれば、そこから被害を受ける可能性があるとのことです。

よって銀行口座について確認した上、被害が生じている場合には問い合わせ窓口にまず連絡してください。ドコモは本件について被害は全額弁償する方針の様ですが、そのためにも被害申告が必要になります。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

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