弁護士大窪のコラム

2020.10.05更新

今年は日弁連のひまわり基金設立から20周年となり、各地でイベントが予定されています。

今週の土曜日には、下記の通り京都弁護士会主催で日弁連ひまわり基金20周年記念シンポジウムがあります。新型コロナウイルスの感染状況を踏まえオンラインのみの開催となりますが、弁護士が少ない地域での弁護士活動について知ることができる良い機会だと思いますのでお時間とご興味のある方は配信をご視聴下さい。私も参加(視聴)予定です。

●開催日時

2020年10月10日(土)午後1時30分~午後5時

●タイトル
「地方で弁護士をしませんか~日弁連ひまわり基金20周年記念シンポジウム~」

●イベント情報(京都弁護士会ホームページ)
https://www.kyotoben.or.jp/event.cfm#10000115

●インターネット配信のURL
https://video.ibm.com/channel/eZCTyQBwhz8

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.04更新

私の所属する桜丘法律事務所の刑事事件の初回相談・接見費用(弁護人契約前)については下記の通りとなっております(2020年10月現在)。

○相談料 

・現に身体拘束されている被疑者のご親族あるいはこれに準ずる方からの初回相談 一時間まで無料 その後30分5000円(税抜)

・その他初回相談 30分5000円(税抜)

○接見費用

・2万円(税抜・交通費別)※接見後弁護人の委任契約に至った場合、着手金に充当します

刑事事件に関する費用詳細はこちらを参照してください。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.03更新

裁判官が民事事件に関する文書やUSBメモリーを紛失するという事件が報道されていました。

NHKの報道によれば、「高松地方裁判所によりますと刑事部に所属する男性の裁判官が先月26日午前2時ごろに飲酒を伴う会食をしたあと、帰宅途中にリュックサックを紛失した」「リュックサックにはこの裁判官が担当する予定の民事裁判の原告側や被告側が作った書面の写しや、この裁判を含む複数の裁判についての情報が記録されたUSBメモリが入っている」とのことです。

裁判所は、裁判官が裁判に関する文書やデータを自宅に持ち帰る際は飲酒はせず、娯楽施設などに立ち寄らないよう指導していたにも関わらず、この指導を守らなかった裁判官に落ち度があるとしているようです。ただ、そもそも機密情報であるデータをUSBという紛失しやすい媒体で持ち帰ったり、裁判に関する文書を自宅に持ち帰ったりするという運用そのものがあり得ないことではないでしょうか。

しかも、裁判官が裁判に関する文書やUSBを紛失することはこれまでにもあったことです。裁判所の外部に持ち出す以上常に紛失する可能性は付いて回るものなので、再発を防ぐためには持ち出し自体を禁止すべきでした。民間企業では通常のルールとして運用されているものですが、裁判所は事件情報という当事者にとって非常にセンシティブなものについて杜撰な取り扱いを行ない続けていることになり、大変な問題といって良いでしょう。

コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言より後も、裁判所は隔週開廷となったり、裁判官も含めた職員が交代で休みを取るなどしてソーシャルディスタンスを図っています。このことにより事件滞留も指摘されているところです。裁判官も事件滞留を防ぐためには自宅での起案をせざるを得ないという事情もあったのかも知れません。しかし裁判官の自宅起案を認めるのであれば、そもそも事件情報を持ち出さなくても参照できるシステム(VPNの導入、クラウドストレージの利用等)を進めておくべきでした。もちろんVPNやクラウドストレージからの情報流出の危険は皆無ではありませんが、USBを持ち歩くことよりは危険度は遙かに低いものです。かりにこうしたシステムをどうしても導入できないのであれば、ソーシャルディスタンスを保って業務や起案のできる事務所等を臨時に借り上げるべきでしょう。

裁判所が今回紛失した裁判官を非難することに終始し、運用の問題点を抜本的に改善するのでなければ、今回のような事態が再発することは必須です。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.02更新

ちょっと前から「ルーチンタイマー」というアプリを利用しています(リンク先はiOS)。

毎日決まった時間に決まったことを行なうことはあると思います。私の場合も朝起きてから必ず行なうことを決めていますし、昼になったら必ず行なうこと、仕事終わりになったら必ず行なうことを決めています。しかし、人間の意思は弱いもので、決めていたことと別のことが気になったり、やるのがおっくうになってしまったりして、ルーチンが時間通りに終わらないということはあるのでは無いかと思います。

ルーチンタイマーでは、やるべきルーチンワークについて秒単位であらかじめ設定しておくことができ、時間が来ると次の作業に写るよう声で呼びかけてくれます。ルーチンワークについて次に何をしなければならないかを教えてくれるのは案外楽で、アプリの声に従い抜け落ちなくルーチンをこなしていくことができます。日常のルーチン以外にも、例えば起案をする時間を決めておいて、○○分経過したら次の仕事に促す等の使い方もできます(起案に使える時間をあらかじめ決めておいてその時間内で終わらせるようにするというのは効果的です)。

アプリに頼らなくても時間管理ができる意思の強い人には必要ないかも知れませんが、そうではない私のような方には強くお勧めできますのでここで紹介させていただきました。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.10.01更新

第二東京弁護士会(公設事務所運営支援等委員会)では、毎年秋に、二弁出身の公設事務所長・スタッフ弁護士を対象として、意見交換会を開催しています。この意見交換会では、毎回各地の弁護士が実務上抱える悩みについて公設事務所運営支援等委員会メンバー(公設事務所・スタッフOBも含む)も交えて意見を交換し、以後の業務に活かしています。

例年ですと、地方でこの意見交換会は開催されますが、今年はコロナウイルスの感染拡大のため、10月30日にZoomを利用したオンライン開催という形をとることとなりました。直接顔を合わせることができないのは大変残念ですが、やむを得ないことと思います。

昨年に引き続き私が司会ということになりましたので、参加予定されている方(今回はオンラインですので参加はし易いと思います)は二弁担当者あるいは私に直接質問事項を出して頂ければ、当日議論を広げていけるよう準備致しますのでよろしくお願い致します。また、参加されない方でも司法過疎地での弁護士業務に関する意見等いただければ、参加者の方にフィードバックしていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.30更新

サービス開始当初から、LEGAL LIBRARYを利用しています。

一言で言うと法律専門書の電子書籍をサブスクリプションで利用できるというものですが、今となっては業務に欠かせない戦力になっています。私が感じる利点は次の3つです。

1 場所を取らない

法律事務所での悩みの一つは書籍が大きなスペースを取ってしまうという点です。特に東京では地価も高く、書籍を置くことへのコストが高いのがネックになっています。

しかしながら、本サービスでは電子書籍故スペースの問題は全くありません。PCだけがあれば膨大な書籍の情報にアクセスできます。個人的にはここに掲載されている書籍(注釈民法等)は手放してしまっても良いかと考えています。

2 検索機能が充実している

紙の書籍では検索は当然できませんが、電子書籍ならそれが可能です。例えば起案で必要になる事項が出てきた場合、それを横断的に検索することにより、スピーディーに調べることができます。

LEGAL LIBRARYでは、キーワードだけでなく、タイトル、著者出典等の詳細検索をすることができ、目的の情報にたどり着くのは楽です。

3 書式が使える

LEGAL LIBRARYでは最近電子書籍に掲載されている書式をデータでダウンロードすることができるようになりました。これにより書式の活用がしやすくなったのは大きな利点であり、紙の書籍よりも優位です。

このような法律専門書の電子書籍サブスクリプションサービスについては、他国では普通に使われているものではありますが、日本でも同種のサービスが使えるようになったのは本当に素晴らしいです。個人的には、スマートフォンでのアプリに対応するであるとか、より書籍の量を増やす(特に刑事実務については充実して欲しい)であるとかの要望がありますが、現状でも便利ですので引き続き使っていこうと思います。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.29更新

本日、第二東京弁護士会のオンライン研修「テレワーク時代の わかる!できる!楽しい!? 弁護士情報セキュリティガイドライン簡単解説」を受講しました。動画については暫くリンク先で公開されているとのことです。

内容中深く同意したのは、弁護団でメーリングリストを使うのをやめようという提言でした。

メーリングリストには、後から入ってきた人が状況を理解できない、メッセージの先後関係が分かりにくいという欠点があるばかりではなく、暗号化されておらずセキュリティの面でも不安がある等の欠点があるというのがその理由です。また、現在ではChatwork等のチャットツールの方が明らかに優位性があり、そうである以上メーリングリストを使い続ける理由もありません。

各弁護団で長年に渡りメーリングリストが使われてきましたが、かつてメーリングリストの内容が第三者にも公開される設定になっており問題になったケースもあります。ファイル管理の面でもメーリングリストは不適(クラウドストレージを使った方が遙かに便利)ですので、自分が関わる弁護団だけでもメーリングリストの使用は今後やめていきたいと思います。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.28更新

日経新聞で、「刑事裁判、IT化に遅れ 遠隔制度の活用は限定的」という記事が掲載されています。

同記事によれば、

「新型コロナウイルスの影響の下、日本の刑事裁判でIT活用の遅れが目立っている。海外ではオンライン化で感染を防ぎつつ審理の停滞を防ぐ工夫が進む」とありますが、日本では刑事裁判においてITはほぼ活用されていないといって良いでしょう。

民事裁判においては、内閣官房がIT化推進の方針を立てたことにより、少しずつではありますがIT化が進みつつありますが、刑事裁判は取り残されたままです。

また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が終わったあとも、刑事裁判所の法廷は隔週開廷で三密を避ける方針をとっておりますし、検察についても隔週出勤等により捜査公判共に停滞しているというのが現状です。それにも関わらず、手つかずのIT化にも全く手を付けようとはしていません。このような刑事裁判の停滞により、裁判が長期化しており特に身柄事件については被告人が未決のまま長期間の勾留を強いられるなど、従前の人質司法の弊害が更に際立つ形となっております。

このまま他国に比べて貧弱な刑事裁判を続けるのは明らかに誰の得にもなっていないので、コロナ渦での他国の実践を少しでも学んでいくべきとは思いますが、裁判所や法務省のこれまでの動きを見る限り悲観的にならざるを得ません。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.27更新

弁護士として長年業務を続けていると、様々な相談を受けることになりますが、これまで一番辛いと感じた相談が、借金を理由として自殺した方の遺族からの相談でした。こればかりは何回経験しても慣れることはありません。

借金それ自体については相続放棄等で解決はできてしまうのですが、失われた命は戻ってきません。しかも、仮に生前に相談に来てさえくれていれば、債務整理を行なうことにより法的に解決できてしまうようなものばかりでした。中には過払い金を回収することでむしろお金が返ってくるようなこともありました。

借金の返済に追われて心が疲弊して追い込まれてしまい、家族親族にも言えず、とても辛い状態になってしまうということは良くわかります。ただ命をかけなければいけないほどの借金というものはありません。これまで数多くの債務整理をいろいろな場所で手掛けてきましたが、弁護士がしっかりと手続をすることにより、問題を解決して生活再建に繋げてきています。

借金で自殺する必要は全くありません。今では無料で債務整理の相談をしてくれる窓口がたくさんありますので、まず相談することを考えてみてください。

投稿者: 弁護士大窪和久

2020.09.25更新

河北新報にて、特殊詐欺で現金500万円をだまし取られたものの、8年越しで全額の回収に成功したことが記事に掲載されています。

記事によれば、500万円を会社代表者Aに騙された被害者が、お金を騙し取った民法上の不法行為等や会社法違反による損害賠償を求め提訴し、裁判自体はAが出頭せず早期に勝訴が確定しています。

ただし、回収に関しては、会社への動産執行等が功を奏さず一旦断念したとのことです。

このような詐欺案件については、会社等あってもそもそも営業実態がなく、会社に財産がないことは通常です。また詐欺を行なうために作った会社の代表者も、黒幕が便宜的に準備した末端の人間であることが多く(事実関係すらろくに把握していないことがよくあります)、代表者個人から強制執行することもままならないまま、回収を断念するに至ることも珍しいことではありません。

ただ、本件については、被害者の代理人である東弁護士が諦めることなく財産調査を行ない、Aの財産隠し(Aの親名義だった自宅を、Aへの相続を経ずに別の男性B名義に移転させる)を見逃すことなく法的手続を行ないました。その結果Aの親名義だった自宅を競売にかけることにより全額回収に至っています。

本件は被害者及び被害者代理人が、回収を諦めることなく、回収の可能性を探り、粘り強く数年かけて手続をかけた上での回収であり、なかなかできることではありません。ただこのように回収に繋がることもありますので、詐欺に遭われた方は泣き寝入りをせずにまずは弁護士への相談を行なって欲しいと思います。

なお、東弁護士は2007年に気仙沼ひまわり基金法律事務所に赴任したあと、5年の任期を経て定着され以後引き続き気仙沼の地で仕事を続けておられます。弁護士過疎地域において弁護士が長年活動を続けていなければ、このような被害者を救うことはできなかったでしょう。あらためて弁護士が真摯に弁護士過疎地域で活動し続けることの重要性を実感させられました。

 

投稿者: 弁護士大窪和久

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